黒拳

《黒拳》呉京ウー・ジン)、鄭中基(ロナルド・チェン)、楊愛瑾(ミキ・ヨン)、張兆輝(チョン・シウファイ)、傅穎(テレサ・フー)、林雪(ラム・シュ)、安志杰(アンディ・オン) 
羅守耀(デニス・ロー):監督


京劇団の公演で香港にやってきた高崗(呉京)は、実は中国大陸で武術のチャンピオン。香港での公演が残り少なくなったある日、柄の悪い男(張兆輝)たちがたずねてきて、ボクシングの試合に出ないかと誘ってくる。一度は断った高崗だが、京劇団の女性・小田(楊愛瑾)に焚き付けられ、不法ボクシングの世界に足を踏み入れていく。高崗の世話係になったのはチンピラの「隊長」と呼ばれる男(鄭中基)だった。
圧倒的な強さでつぎつぎと相手を倒す高崗の回りでは巨額の金が動くようになっていった。小田はヤクザと上手くつき合い金を稼いでゆく。高崗はそんな小田に好意を寄せるようになっていった。


呉京のための呉京による呉京の映画。「真功夫」つまりモンモノのアクションが画面に溢れる。重そうで痛そうな、パンチに足蹴り。綺麗で優雅なカンフーではなく、闘いなアクション。多少、トニー・ジャーも意識したのか。
主人公は、以前なら郭城富(アーロン・クォック)あたりがやってもよさそうな役だ。純真で、ただ彼女の喜ぶ姿が見たいから、彼女の望むままに不法ボクシングに手を染めてゆく。実は彼女はしたたかだとも知らず。アイドル映画のつくりで、アクション映画を作ってしまったというアンバランスさ。
鄭中基の使いかたがなかなか面白く、周りを癖モノ役者でそろえているが、楊愛瑾も傅穎も、男を騙すにはまだまだ力不足、色気不足な感じ。「アクション見」だけならかなり満足できるのでは。
2006.10.8@新寶戲院


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