The Departed(無間道風雲)(ディパーテッド)

《無間道風雲》レオナルド・ディカプリオマット・デイモンマーティン・シーンジャック・ニコルソンマーク・ウォールバーグ
マーティン・スコセッシ:監督


予想どおりつまらなかった。初めて《無間道(インファナル・アフェア)》を見た時のことを思い出して、どこがつまらないのかを検討する。
決定的なのはその「無間道」という思想の欠如。よく出来た《無間道》の脚本の根底にはこの思想がある、思想の上にストーリーが成り立ってるからこそ映画《無間道》があるのだ。しかし《無間道風雲》は、単にストーリーをなぞっただけ。さらに《無間道》を見てよいと思った場面、つまり黄Sirの墜落、杜汶澤の「そう強」は梁朝偉が臥底と気付いていたのかどうか、真っ青な空を背景にした屋上の対決、蔡琴の歌声(当然これはない。これに代わるものも出てこない。オペラのアリアでもじっくり聞かせてくれてもいいのだが)、結末などの場面が、ことごとく美しくないことが、失望をさらに大きくする。
東洋的思想を理解しないハリウッドには、所詮ストーリーをなぞることしかできないということが、改めてよく分かった。
2006.10.12@UA時代広場


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