雷雨

《雷雨》
白燕、廬敦、張瑛、李小龍、梅綺 
呉回:監督 1957年 モノクロ DVD 無字幕


封建的家庭の悲劇。周家の息子はお手伝いにお手付き、2人の子供をもうけたが、結婚はしないという。2人の子の母は絶望し、1人を周家に残し、赤子の1人をつれて川に飛び込んだ。
25年後、周家には、当主(当時の息子)と、お手伝いとの間に生まれた兄(先妻の子ということになっている)、後妻、後妻との間に生まれた弟がいる。当主は留守がちで、後妻は兄と間違いを犯してしまっている。兄はそのことが元で、しばしば家を留守にし、継母と顔をあわさないようにしている。周家に来て2か月ほどの若いお手伝いに弟は好意を寄せているが、お手伝いは兄のほうに興味を示している。継母はそのことを快く思っていない。また死んだはずだった兄の母親が実は生きており、若いお手伝いは、その後、母が嫁いだ男との間に生まれた娘だったことが分る。絡まりあった人間関係が、雷雨の夜に悲劇を呼ぶ。


物語りは曹禺の「雷雨」。何回も映画化されており、これから公開になる《満城盡帯黄金甲》では、当主にあたるのが周潤發(チョウ・ユンファ)、継母が鞏俐(コン・リー)、兄が劉[火華](リュウ・イエ)。《雷雨》では、お手伝いの存在にかなり重きが置かれており、周家の当主はそれほど出番が多くないので、かなり改編されるのだろう。
また《雷雨》は舞台劇として書かれた作品なので、この映画もかなり舞台的で、出てくる場所は、周家(昔と今の2か所)、飛び込む川、お手伝い一家の住まい4か所しかない。このあたりもどうなるのか、興味深い。
《雷雨》につては電影資料館で上映がある(ココを参照)。是非行きたいところだが、この日は都合がつかないので、手に入るこの作品だけ、とりあえず《満城盡帯黄金甲》の予習として見てみた。ちなみに李小龍ブルース・リー)は当時17歳。


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