《暗戀桃花源》三地聯演版

《暗戀桃花源》袁泉(ユアン・チュアン)、黄磊(ホアン・レイ)、李梅、辛偉強、馮蔚衡、高翰文 
頼聲川(スタン・ライ):監督


劇場管理人のミスで、《暗恋》と《桃花源》を上演する2のつ劇団の舞台稽古がかちあってしまう。お互いが稽古の場を取り合って争う。途中舞台を半分にしてお互いに稽古しようとするが、つい相手の台詞を言ってしまったりしてめちゃくちゃに。そこで譲り合って片方ずつが練習をすることになるが、《桃花源》が終わると、劇場管理人が劇場を閉めると言って来る。《暗恋》の舞台監督が10分だけ時間をくれといい、なんとか最後まで稽古をして終わる。


劇中演じられる《暗恋》は、上海で知り合った2人がお互いに行方知れずになり、50年後台湾で再び巡り会うまでの話しで現代劇。《桃花源》は、妻の不実を知った夫が出奔、「桃花源」にたどり着く。そこには妻と不貞をはたらいた男そっくりの夫婦がいる。3人はそこで幸せに暮らしているが、やぱり妻が恋しい男が家にかえってくると、男は死んだことになっていたという古装劇。


この舞台は1986年台湾初演。1992年には頼聲川監督、林青霞(ブリジット・リン)主演で映画化もされている。2006年には袁泉、黄磊で大陸版が出来、今年、三地聯演版(香港話劇団+中国国家話劇院+台北表演工作坊)と香港版(香港話劇団)が香港で上演。今日見たのは、三地聯演版。


普通話で演じられる少々古くさい(伝統的というべきか)《暗恋》と、動きも派手で台詞も早い広東語で演じられる喜劇的な古装劇が交互に舞台上で演じられる。途中互いが干渉しあい、台詞が入り乱れ、2つのドラマが同じ舞台上で進んで行く。劇中劇に入り込もうとすると、途中で容赦なく話しは打ち切られて行くのだが、最後には不思議と2つの話しが頭の中で1つの物語に収斂していく。とても面白かった。


本来の台湾版での《桃花源》が香港版のように喜劇的なのか分からないが、三地聯演版では言語的な違いもあり2つの劇団が同じ舞台にいるという状態がより鮮明に描き出されている。それと、黄磊っていうのがとても懐かしい名前だったりして。8月2日には香港版を見る予定。2007.7.28@香港文化中心