光棍・神偸・雙綵鳳

《光棍・神偸・雙綵鳳》林錦棠、謝瑜、丁亮、白茵、盧敦 
王濤(王天林):監督 1978年 粤語 無字幕 カラー


同じ日に刑務所を出所した2人。会社勤めの林錦棠は、詐欺の片棒を担がされ刑務所へ、デパート勤務の謝瑜は、万引きの片棒を担がされ刑務所へ投獄されていた。仕事を探してもどこでも断られてしまう2人は、自分たちを陥れた男を見つけ、懲らしめてやろうとしたところで、スリの丁亮を知り、意気投合。丁亮のスった金でガソリンスタンドを始めた2人は、ある日、タイ人の女性を好きになるが、彼女たちは、香港に連れてこられ偽装結婚をさせられ、風俗で働かされていた。2人は丁亮の力を借りて、タイ人女性を救いだそうと奇策を労する。


今見るとまったりもったりしているところもあるが、騙し騙され一筋縄ではいかないストーリーは、十分に面白い。特に2人が騙される話しが、ばかばかしいが、似たようなこことがあったのだろうと思われる。
会社勤めの男は、ある土曜日の午後(ここが重要)、知り合いの男から、社長が用事が出来て、ドイツからきた客を接待できないので、代わりに客を宝石店に連れて行って買い物をさせてやってくれと言われる。男は客を連れ宝石店へ。客は大量の宝石を買い、チェックを切ろうとするが、土曜日なので現金にしてくれと店側がいう。すると客は米ドルで支払う。月曜日になりその金が偽札だと分かる。警察がやってきて始めて、そのドイツ人は社長の客ではないことが分かる。知り合いの男は自分を知らないと言い張り、客が泊っていたはずのホテルの宿泊名簿にもドイツ人の名前は見つけられなかった。
デパートにある日、お金持ちそうなご夫人がやってくる。すると今度はこれまたお金持ちそうな男がやってきて言う「そこにいるのは私の家内だが、彼女は万引きの癖がある。私は金も名誉もある人間なので、妻の奇行が世間にしれるのは怖い。どうか彼女を見張っていて、好きに万引きをさせてやってくれ。その金はすべてあとで自分が払う」。デパート勤務の男はそのご夫人を見張って、万引きをさせ、さて伝票をまとめお金持ちそうな男に支払いをと男の肩を叩くと、それは別人だった。
その後のタイ人の女性を救うところは、奇策すぎてバカバカしく、息子・王晶映画でも考えそうな話しだ。助監督に杜琪峰(ジョニー・トー)の名前あり(杜琪峰と盧兆璋の2人が助監督)。


解説によると「王天林は1973年からテレビ局で監督となっていたが、その間も時々映画を撮っていた。76年から78年に許兄弟が人気になり、喜劇が大流行り。これは王天林が銀都(左翼系の映画会社)に招かれ、詐欺、スリといったはやりの題材で撮った作品」。
2007.11.10@香港電影資料館「大娯楽家・王天林」


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