南北一家親

《南北一家親》梁醒波、劉恩甲、張清、丁皓、雷震、白露明 
王天林:監督 國・粤語 モノクロ 無字幕 電懋 1962年


広東人と外省人を主人公にした喜劇「南北」シリーズ。メンバーも《南北和》(id:hkcl:20080105)と同じだが、脚本が張愛玲(チャン・アイリン)。
今回はレストランが舞台。広東料理レストランのオーナー沈敬炳(梁醒波)の息子は警官(張清)。北京料理の李世普(劉恩甲)の娘でDJの曼玲(丁皓)と恋愛中。結婚を切り出したが、お互いの親は外省人嫌いと広東人嫌い。互いに頑固で聞く耳を持たない。


北京料理店は、会社の慰安パーティーを引き受けたいがために値引き。さらにビールのただ券を配って客を集めようとする。すると広東料理店の店主は、知り合いや店員に小銭をやってまで、そのビール券を手に入れさせ、店に行ってただのビールだけを飲んで店でねばってこいと言いつける。梁醒波と劉恩甲がケーキに顔を突っ込んだり、焼きそばで応酬したりと、《南北和》よりさらにドタバタな争いが繰り広げられる。沈敬炳は北京語読みすると「神経病」(「あたまおかしいんじゃない」の意味)の音に近く、李世普の広東語読みは「離晒譜」(「でたらめ、とんでもない」の意味)の音に近いなど、言葉の可笑しさもあり。
それにしても張愛玲がこんなドタバタ喜劇の脚本を書いたことが少々驚き。
2008.1.5@香港電影資料館「大娯楽家・王天林」


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