烈日當空(九降風之香港編)

《烈日當空》林耀聲、岑珈其、梁曉豊、王敏奕 麥曦茵:監督


會考前の中5の7人の男子と2人の女の子の青春の1ページ。
いつもつるんでふざけている男子7人。裕福な家庭だが母はいつも仕事で家にいない、悪いヤツからクスリを教えられている。家には、父と若い大陸生まれの若い母と乳飲み子がいて、父とは反目している。学校が終わると速攻塾通い・・・。家庭環境はさまざまだが、学校では担任にもう中5なのにと怒られてばかりの7人。


リズムがあって躍動的で若々しいく、ロケ地も面白いところを探してきている。見ていて退屈しない。
監督は女性で、これが長編1作目。ハイビジョンで撮影している。時々、色が赤っぽくなってしまうところがあったが、それでも許せるのは、内容が面白かったからだ。監督も新人なら俳優たちも《魔術男》に出ていた梁曉豊を除いては、みなほぼ新人。なかなかいまどきな子を探してきている。


「九降風」の企画は台湾編の監督、林書宇が書いた脚本が元になっている。中国と香港はこの脚本から出演者は男子7人、女子2人、大学に入る前の青春を描くという決まりのなかで作られており、監督はかつて書いた脚本を発展させて今回の脚本を書いている。また7人の男子は自分の性格それぞれ投影していると話している。さらに「子供たちにとってもっとも大切なことは、友達を思っているのか、カップルなら相手を愛しているのかということだと思う。自分たちが出来ることをすればいいのであって、それ以外の社会の問題は別の人が考えればいい」と話しており、映画でもいろいろな事が起きるが、最終的には友情(友だちを思う気持ち)という根本のところを問うことになる。さらにある季節を超え、生徒たちはそれぞれに成長していく。
さまざまな質問をされても、きちっと答えがあり、監督かなりクレバー。脚本も画面もよく考えられているのだと思う。少し前に旺角で撮影していた場面がしっかり使われていた(つまり比較的最近まで撮っていたということだ)。その時は、俳優の顔も監督の顔も知らなかったので何の撮影か分からなかったのだが。ヤクザぽい父親役に尹揚明が出ていた、《傷城》以来か。
2008.4.2@香港国際電影節(The Grand Cinema)


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