12蓮花(12Lotus)

《12蓮花》王欣(ミンディ・オン)、戚玉武(チー・ユーウー)、劉玲玲(リウ・リンリン)、孫燕姿(ステファニー・シュン) 
陳子謙(ロイストン・タン):監督


福建オペラの楽士の娘・阿花は花旦に聞く、「今日は何の役」「観音様よ」「観音様って」「観音さまは人々を救ってくれるのよ」「じゃあ父さんやかあさんも救ってくれるかな」。
阿花は父に歌が歌いたいと頼んだ。父は阿花にむち打ち怒鳴りながら歌を仕込んだ。おとなになった阿花(王欣)は、歌台の人気歌手になっていた。しかし父は阿花の稼いだ金を賭け事ですってしまう。ある日、賭場で歌台の王子(戚玉武)が阿花の父に、阿花と自分をペアにしてくれればもっと稼げるともちかける。父は阿花を慕っている小侠飛も一緒ならいいといい、王子が差し出す書類にサインをして、2人はペアになり、ますます人気になっていた。さらに王子は舞台上で阿花に結婚を申し込んだ。しかしその時から阿花の運命は一変、阿花のすべてが崩れ去った。それから12年、阿花(劉玲玲)の面倒をみていたのは当時は子供だった小侠飛だった・・・。


前作《881(881 歌え!パパイヤ)》(id:hkcl:20081024)とほぼ同じキャスト、同じく歌台を舞台に、ミュージカル仕立てで物語は進んで行くが、前作とは異なり、悲しい女の物語。悲し過ぎて、やりきれない。「蓮の花は可哀想・・・」という歌に沿って、阿花の物語が綴られて行く。子供の阿花はこの蓮の花の歌が歌いたいと父に言うと、父は「これはおとなの歌だ。おとなになったら意味は分かる」と言う。そのとおり、おとなになった阿花はこの歌の意味を身を以て知って行くことになる。
劉玲玲が可笑しくしてあな哀し役を熱演。戚玉武の二枚目もなかなか。羅文か美川憲一かという衣装で歌う姿や、いかさま師くさいいかがわしさも満点。観音役の孫燕姿は映画初出演。
2008.10.26@百老匯電影中心(香港亞洲電影節)


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