琵琶怨

《琵琶怨》芳艶芬、呉楚帆、黄千歳、呉桐、李月清 
左几:監督 電懋 1957年 モノクロ 粤語 無字幕


小玲(芳艶芬)は、生活のため舞台で歌って踊っているが、父が粤劇の役者だった関係から大戲(粤劇)が大好きで、本当は粤劇の役者になりたいと思っていた。ある日、自分の舞台をさぼって大戲を見ているところを因縁を付けられる。そこをヤクザものの七哥(呉楚帆)に助けられるが、舞台は首になってしまう。七哥は小玲を一目見て気に入り、大戲の舞台に立たせてやると話す。最初は疑っていた小玲だが、七哥の口利きで粤劇団に入ることができた。そこで劇団付きの作家・韓江濤(黄千歳)を知り、彼について歌を習うようになる。2人は憎からず思っているが、七哥の後ろ盾を得た小玲はどんどん人気が出ていき、七哥から離れることも出来ない。さらに七哥は2人を近づけないようにしようと画策、しまいには小玲を連れ南洋に巡業に出ることになった・・・。


芸能人の後ろにヤクザもの、愛と束縛のはき違えなど、お決まりの構図。
劇中、舞台袖で役者が出番まで賭け事に興じているシーン、看板に書かれた役者の名前の順番に七哥が文句をつけたりと、ありそうなエピソードが興味深い。七哥を演じている呉楚帆は、駄目男も演じれば、喜劇もいけるのだが、ここでは典型的なヤクザもの。最後は悲劇に終わるのかと思いきや、七哥の自爆で意外にハッピーエンドになってしまうのが少々拍子抜けかも。
2008.11.22@香港電影資料館(梨園新星)


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