漂浪青春(彷徨う花たち)

《漂浪青春》陸弈靜、房思瑜、趙逸嵐、王學仁、徐麗雯 
周美玲(ゼロ・チョウ):監督


目の不自由な菁菁は夜はバーで歌を歌っており、妹と2人暮らし。アコーディオン弾きの竹嵩は菁菁姉妹を気にかけているが、小さな妹は、姉と竹嵩が仲良くなるのが気に入らず、姉に意地悪をしてまう。姉は妹の将来を考え妹を人に預けることにする。
水蓮と阿彦は、他人の目を欺くための仮の夫婦。本来はお互いに思う人がいる。年老いた水蓮は老人痴呆症にかかっており、恋人の阿海が亡くなったことが分からず、訪ねて来た阿彦を阿海と思い込む。阿彦はエイズにかかっており(発病はしていない)、さらに同居相手は他に好きな人が出来て帰る場所がない・・・。
竹嵩の一家は布袋戯を生業としている。中学生の竹嵩は、成長する胸を包帯でぐるぐる巻きにしている。ある日、歌姫・水蓮と竹嵩は知り合い、竹嵩は自らのアイデンティティをはっきりと認識するようになる。


3つの物語は年代が異なっており、古い順には、中学生の竹嵩と水蓮(15年ぐらい前か)、菁菁と竹嵩(10年ぐらい前か)、水蓮と阿彦(これが現在)。時間を行き来するための装置として列車を登場させ、さらにそれそれの登場人物を有機的に繋げているところがとても上手い。また前作《刺青》のポスターの女性2人を男性2人に替えて劇中に使用するなど、ちょっとした遊び心もある。


身近な人への愛や思いやり、老い、病気など、生きてゆくうえで考えなければならないことを提示している。
2008.11.25@百老匯電影中心(香港同志影展)


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