舞牛

《舞牛》繆騫人、黄秋生、陳令智、馮建中、羅卡 
方育平:監督 1990年 粤語 カラー


バレエ団を主宰する繆騫人と黄秋生は私生活でもカップル。阿牛(黄秋生)は、つねにダンスのことしか頭にない。劇団の運営はすべて繆騫人に任せ、繆騫人はスポンサー探しに奔走している。資金難のうえ、劇団のプリマ・阿清が彼氏を追ってアメリカへ行ってしまうなど、劇団はつねに危機に直面。そんな時、妥協を許さない阿牛は、プレッシャーからEDに。阿牛は医者を尋ねるが改善されず、繆騫人との生活にも亀裂が。バーで酒を煽る阿牛は香港に戻ってきていた阿清に出会う。阿清に救われた阿牛は繆騫人との生活を解消し、大澳で新たな生活を初める。繆騫人はバレエ団を1人で支え、評価されるようになっていった。


創作(藝術)がどうやって世間と擦り合わせをしていくかという問題を提示している。城市當代舞踏團の創設者・曹誠淵が制作者の1人で、たぶんに彼の経験や考えが反映されているのだろうと思う。藝術発展局の役人の役で羅卡が出演していて、彼の言葉がいかにもお役人でおおいに笑う。スポンサーを探す繆騫人にある企業家は「話は食事をしながらがいい。クルーザーの中ではどうだ」と明らかに別の目的のようすだっだりと、いかにもなシーンも登場する。タイトルの「舞牛」はもちろん阿牛のことだろう。物語の最後、阿牛は再び繆騫人を尋ねて終わる。ちなみに劇中、黄秋生は一度も踊らない。《一生一台戲》にしても藝術を支えるのはやっぱり女性だ。方育平の女性観を聞いてみたいものだ。
2009.8.2@香港電影資料館「蛍影相随・戲・夢・人生―方育平回顧展」


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