很想和你在一起

《很想和你在一起》洪卓立(ケン・ホン)、詩雅(ミッシェル・ワイ)、陳家樂(カルロス・チャン)、許紹雄(ホイ・シュウホン) 
江玉儀・鍾煒釗:監督


若い女性がコンビニに駆け込んできて店員にいう「昨日、彼氏と沢山買い物したの覚えている!?ねえ、覚えてるでしょう。録画してるでしょう。お金払うからビデオを見せてよ」「そういうサービスはしておりません」「いくらでも出すから、ビデオを見るだけだから、見たら帰るから」「おまわりさん、この人可笑しいんですよ」「可笑しくないわよ。ビデオを見たいだけだから。彼氏がいなくなったの」「だったら彼氏を探せばいいじゃないですか」「だってみんな彼氏は死んだっていうのよ!」。
歐陽冠楠(詩雅)は、カメラマン(陳家樂)の助手のアルバイトをしながら学校に通っている。家は写真屋を営んでいる父(許紹雄)と2人暮らしだ。
学生時代、冠楠と今はカメラマンとなった文俊(陳家樂)は同じ写真部に所属していた。文俊は密かに冠楠に思いを寄せていたが、冠楠には気になる人物がいた。ディベート大会で打ち負かした施徒捷(洪卓立)だ。その後、何かというと冠楠に挑戦してくる徒捷。冠楠の誕生日が近いある日、文俊は思い切って冠楠に思いを伝えようとしていた。文俊の心を傷つけたくない冠楠が返答に困っているところを徒捷が救ってくれた。その日から冠楠と徒捷は停戦、徒捷は冠楠の誕生日にびっくりさせることがあるから、学校のキャンティーンに来て欲しいと話した。しかしキャンティーンで冠楠は、徒捷の彼女と名乗る女性からカナダに留学すると聞かされ、取り乱して文俊に支えられパーティーを後にした。翌日文俊は、徒捷から冠楠へのプレゼントを家に届けてくれた。それを見た冠楠は、徒捷が長い間、冠楠を密かに思い観察、さらに盗み見て写真を撮っていたことを知る。しかし徒捷の思いに気がついた時に、徒捷はカナダへ旅だっていた。
その後、この恋が後を引いていて、新しい彼氏を作る気のない冠楠を父は心配していた。そんなある日、冠楠は同窓会に出かけ、思いでの裏山に登って写真を撮っていると、ファインダーの中に徒捷の姿があった・・・・。


洪卓立が公開直前に病気になったため、回復してから改めて公開になった作品。
出演者が少なく、さらに新人3人が主役で、物語りにも派手さはないが、思いのほか良かった。映画全体の雰囲気は、《愛情故事》(id:hkcl:20090302)に少し似ている。詩雅は優等生で少し堅い雰囲気で、飛び抜けた美人でもないが、映画向きな資質を持った人だと思う。これからが楽しみ。洪卓立は前作《愛情萬歳》(id:hkcl:20080325)がほぼ地だったのに比べたら、少しは演技していたようだが、まだまだ発展途上。陳家樂は、一応ハンサムという程度しか認識できない。父役の許紹雄が1人で新人3人をしっかり支えている。
物語りはある種のファンタジーに属するので、ファンタジーを信じるかどうかで面白いかどうかがかなり違うだろう。親しい人の死に出会ったことのある人は、映画のようだったらいいのに、と思う人も多いだろう。しかし香港人、大どんでん返しな瞬間に「え〜そうなの!」みたいな声はあげる。泣かせる場面で笑う。ファンタジーを理解できない人々だ。2009.8.28@UA朗豪坊


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