國際短片競賽節目(三)

《Breath》

Zac Murphy:監督(香港)
疫病が街に蔓延、市民は隔離され、男は孤独に自らの運命に向かう。(カタログより)
モノクロで人気のない香港の風景が新鮮な驚き。よく知った場所なのにまるでヨーロッパのどこかの寂れた街のように見えた。監督はカナダ出身。アジアを舞台に長編を撮る予定もあるらしい。

《Sparrows》

Jam Speckenbach:監督(ドイツ)
バーで知り合った男女のひととき。ミュージカル仕立て。バーの女性はオペラのアリア風に歌って注文をとり、バーの客の女性はバレエダンサーのように男と踊り、ディスコの客はインド映画のようにダンスシーンを演じ、タクシーの運転手はロックミュージカルのように歌う。面白い構成。そしてなにより興味深かったのは場面転換の仕方。男女がそろって歩いていく背中をまずカメラはとらえ、次にカメラが反対にターンして路上を写していくと今度は路上に先ほどの男女が座っている。というようにカメラは止まるとこなく、シーン転換していく。エッシャーのだまし絵のようなカメラワークが面白かった。

《Hanasaaris A》

Hannes Vartiainen、Pekka Veikkolainen:監督(フィンランド
言葉はいっさいなしで、破壊されていく工場や街の風景を定点観測のように写していく。太陽の光が薄く斜めから差していて、いかにも北欧。定点観測を早送りで映し出すと工場を破壊していく様が、まるで怪獣がビルを食いつぶしていくような面白い映像。映画の前半は早送りのおもしろさ。後半になると今度は乱反射したような断片のあつまりが画面に現れる。とにかく映像が面白く、映画というよりビデオ芸術作品といった趣。

《Tying Your Own Shoes》

Shira Avni:監督(カナダ)
ダウン症の芸術家4人の創作活動の様子と言葉を用い、さらに芸術家たちの作品をアニメーションにして見せる。4人の描く絵が色使いや線が綺麗で素敵。

《The Six Dollar Fifty Man》

Mark Albiston、Louis Sutherland:監督(ニュージーランド
いじめられっ子が最後には先生に褒められ、自分に自信がつく。このいじめられっ子役の子を探してきた監督がすごい。この子歯並びが悪くて、なかなかな面構えだった。
2010.3.27@香港國際電影節(香港科学館)


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