父後七日(父の初七日)(お父ちゃんの初七日)

劉梓潔と王育麟。劉梓潔・王育麟:監督


父親の死に駆けつける娘。病院から自宅へ搬送される父。自宅には祭壇がつくられ、道士があれこれと指示を出す。麻の衣をまとった娘はある場面では泣き、ある場面では泣くなと道土に言われ、いったい自分がいつ泣いて、いつ泣いてはいけないのか混乱してしまう。道士たちは葬儀と出棺の日取りを決め、生前の写真を引き伸ばしたりと葬儀の準備が進んでいく。その間に道土の人柄や、娘の父への思いなどが断片的に語られていく。


舞台は台湾彰化県の村。田舎の村の葬儀の様子が垣間見られ興味深いのだが、映画としては冗漫な感じがする。元は短編小説だそうで、そういわれれば物語のつくりが納得できるが、文章をそのまま映像化しても映画には小説と同じ感情が立ち現れてはこないことが多い。特に、娘が仕事のため香港へやってくるあたりから最後の空港のシーンで涙を流す場面があるが、この時の娘の感情が理解出来なかった人がいたようだった。
2010.3.28@香港國際電影節(香港科学館)


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