葉問前傳(イップ・マン 誕生)

《葉問前傳》洪金寶(サモ・ハン)、元彪(ユン・ピョウ)、杜宇航(トー・ユーハン/デニス・トー)、 樊少皇(ルイス・ファン)、黄奕(ホアン・イー/クリスタル・ホアン)、徐嬌(シュウ・チャオ)、林雪(ラム・シュ)、葉準、張継聰(ルイス・チョン)、張敬軒(ヒンズ・チョン)、廖碧兒(バーニス・リウ)、陳嘉桓(ローズ・チャン) 
邱禮濤(ハーマン・ヤウ):監督


1905年、佛山。6歳の葉問と兄の葉天賜は、詠春拳の宗師・陳華順(洪金寶)の元で修行を始めた。しばらくして陳華順は亡くなり、後を呉仲素(元彪)が継いだ。ある日、葉問(杜宇航)は街へ出たおりにヤクザものにからまれた舞台上の芸人をたすけ大立ち回りを演じた。そのおり1人の女性・張永成(黄奕)と知り合う。ほどなくして葉問は1人、香港へ勉強に出かける。香港では縁あって梁璧(葉準)を知り教えを請うことに。
葉問が佛山に戻るころ、兄の葉天賜(樊少皇)は武術家としても商人としても成長していた。佛山に戻った葉問は張永成と再会し心を通わすようになる。ひそかに葉問に思いを寄せていた妹弟子の李美慧(陳嘉桓)は失望し、兄弟子の葉天賜の元へ嫁ぐことになるのだった・・・。


結末の付け方に少しばかりの疑問はのこるが、期待しないで見たためか結構面白かった。やはり職人・邱禮濤はさすが。オープニングの古い香港の写真からして少し違うと思わせる。
葉問を演じる杜宇航は、動けるものの演技はまだまだで、声もあまりよくないのが難点。初めはどうも葉問に甄子丹の影がつきまとうのだが、だんだんとなれてくると、杜宇航が若くまだ未熟な葉問に見えてくる。のちの妻を演じる黄奕は大陸の女優。おしとやかすぎず、自己主張もある女性を素直に演じている(ただし広東語はたぶん唐寧が吹き替えている)。
始まってすぐの洪金寶×元彪、物語中盤の杜宇航×葉準、そして最後の杜宇航×日本人+樊少皇+廖碧兒と、要所要所にアクションの見せ場を入れてうまく物語を作っている。


実在の人物を元にした映画は、事実とは反する、主人公の性格づけが違うだのといろいろな批判がつきもの。それが主人公の生涯を克明に再現するものなら、事実と反することは重大な罪だが、主人公を称えるものであれば、主人公の性格や業績をより鮮明にするための脚色は許されてしかるべきではないか。まして娯楽映画となれば、主人公の名前と、背景や設定を借りただけの作品でもいたしかたないところ。さてこのところの「葉問」ばやりで、この作品を含め3作の「葉問」映画が出そろっているが、どの作品が真実に近いかというのは不毛な論議に感じる。つまりは見て面白ければ、娯楽映画の役割は果たしているのだから。
2010.6.24@新寶戲院


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