鎗王之王

《鎗王之王》古天樂(ルイス・クー)、呉彦祖ダニエル・ウー)、杜汶澤(チャップマン・トー)、林雪(ラム・シュ)、蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)、李冰冰(リー・ピンピン)、方中信(アレックス・フォン)、連凱(アンドリュー・リン) 
爾冬陞(イー・トンシン):監督


IPSC大会で優勝した投資会社のマネージャー關友博(古天樂)は、大会を終え自ら車を運転しての帰路、高速道路上で強盗事件に遭遇した。關友博は銃を持った人物を見て、さきほど大会で使用した銃を急ぎ取り出し狙撃してしまった。しかしその間に現場に急行してきた交通警官は撃たれ、犯人の1人と思われる人物は逃走した。ようやく携帯電話を取り警察に電話をする關友博、現場にやってきた警察はピストルを持った關友博を取り押さえ連行した。警察では先ほどのIPSC大会で2位となった刑事の荘子維(呉彦祖)が事件を担当することになった。關友博は発砲と殺人で起訴されるのだが・・・。


タイトルを見れば張國榮レスリー・チャン)と方中信の《鎗王》の続きかと思ってしまうが、主人公2人がIPSCという射撃競技を趣味にしている点と、方中信が《鎗王》《旺角黒夜》同様、苗Sirを演じるという共通点以外はったく異なる物語。
ねたばれになってしまうため詳しくは語れないのでもどかしいが、初見の感想は「微妙」。その微妙さはどこから来るものかと言うと、1つは物語、もう1つは古天樂と呉彦祖のつ組み合わせ。
古天樂と呉彦祖、この2人、実は似たような雰囲気の俳優なのではと今回感じた。2人とも強烈な個性を持った俳優ではなく、演技が特別上手いわけでもない。古天樂はといえば、いまひとつ表情に乏しい。呉彦祖は表情はあるものの、広東語の発音はまだかなりなまっており、発声の仕方もあまりよくないので、シリアスな役だと、どうも迫力がたりない。そして2人とも、物語を牽引していく力が少しばかり弱い。ラブストーリーなら女性が主導の場合も多く、それなりに物語が流れていくのでいいのだが、犯罪映画となるとそうはいかないし、特に2人が対決しなくてはならないこの映画では求心力が足りず、何か散漫とした印象になってしまう。
2010.6.30@旺角百老匯


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