基佬40(Be My Boy)

《基佬40》林子祥(ジョージ・ラム)、陳小春(チャン・シウチョン)、伍詠薇(クリスティ・ン)、呉鎮宇(ン・ジャンユー)、林建明(ラム・ギンメン)、毛俊輝(フレデリック・マオ)、舒淇スー・チー/シュウ・ケイ)、楊恭如(クリスティ・ヤン)、張堅庭(アルフレッド・チョン)、蕭仲坤(シウ・チョンクワン) 
舒琪(シュウ・ケイ):監督 1997年 嘉禾


日本でも公開になっているので詳しいストーリーは省略。
ゲイであることを隠している林子祥演じる46歳の羅家聲と、ゲイを公表している小春演じるSonnyのカップルの恋の行方を、羅家聲と父や幼なじみの女性、叔母とその息子、友人のカップル、友人の死などを絡めて追っていく。


かなり久しぶりに見たが、今見ても十分に面白い。台詞も生き生きしているし、映画のリズムもいい。もちろんライトコメディ風に仕立ててあり物語がそのまま現実でないのは承知しているが、それでもゲイであることを公表出来ない人や世間体を気にしている家族や勤め先などの描写は、起こりそうなことだと思える。そして役者もいい。
このSonnyの役は小春フィルモグラフィーの中でも出色のひとつ。公開当時(先にVCDで鑑賞、その後日本公開を見たと記憶している)、あまりの可愛さに小春に惚れ直した作品である。ある時小春は「昔は何も考えずに言われるままに演じていたが、今は少しは考えるようになった」と話していたが、たぶんこの頃は何も考えていなかったのだろう。考えてなくても的確な演技。考えるようになってからは今ひとつ演技に突き抜けたものが感じられないところを見ると、下手な考え休むに似たり、やはり「考えるな感じろ」なのかもしれない。


それにしても林子祥と陳小春の組み合わせはいったい誰が考えたのか聞いてみたいものだ(今日は監督がとなりに座っていたのだから直接聞いてもいいようなものだが・・・)。そしてゲスト出演者の多いこと。当時は分からなかったが、今日見て毛俊輝が出ていたのに気づきびっくり。
2010.8.20@香港電影資料館「捕光捉影・向兩位攝影大師致敬」


■□10年に見た映画一覧□■