紅菱血(下)

《紅菱血(下)》芳艷芬、羅品超、黄千歳、盧敦、林妹妹 
唐滌生:監督 1951年、モノクロ、粤語 澤生


次男も父も亡くなった秦家、すでに8年が経ち、娘も大きくなっていたが、叔母たちは映雪が一家の財産を管理しているのが気に入らず、映雪の娘に母親のあることないことを吹き込んでいた。映雪の唯一の理解者であった三男もそんな秦家に嫌気がさし、教員になると家を出て行ってしまった。
そのころ、村を出て刑事になっていた左鳳翔が、自分を捨て秦家に嫁いだ映雪への復讐の意味もあり、8年前の四女失踪を解決すべく映雪の前に現れる。左鳳翔はいまだに映雪が忘れられないそぶりを見せ、四女殺害の証言を取ろうと考える。左鳳翔はホテルの部屋にマイクをしかけ、まんまと映雪の証言をとりつけ、映雪を逮捕した。映雪は死体遺棄に強力した父の名前は出さず一人ですべての罪を被ろうする。裁判所での弁明で、事の成りゆきを話す映雪は、子供は左鳳翔との子供であること、それを知った四女が秘密と引き替えに秦家の財産を渡すように要求していたことを話す。驚く左鳳翔。傍聴していた父はこらえ切れず、自分も現場に居たと話すが、映雪は終身刑に処される。娘は母の気持ちを理解し、左鳳翔は映雪にわび娘を引き取ろうとし、三男は自分の学校で面倒を見ると話すのだった。


左鳳翔が秦家を訪ねていく夜のシーンからドラマティックに話しが展開していく。映雪は左鳳翔を疑うことなく、殺人を吐露していしまう最後まで観客をひっぱっていく。光と闇をコントロールして、ミステリアスな雰囲気を創り出して、はらはらさせ、クライマックスへ持ち込んでいく。物語も画面も、非常に西洋風である。
2010.8.22@香港電影資料館「捕光捉影・向兩位攝影大師致敬」


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