我們天上見

《我們天上見》朱旭、姚君、朱一諾、劉燁 
蒋雯麗:監督 2009年


70年代後半、両親は新疆に行かされており、3歳の小麗は祖父と2人で暮らしている。蒋という姓のため、蒋介石の親戚と近所の子供たちにはいじめられている。時に両親を思い哀しくなり、体操の練習をさせてもらえず悔しい思いをするが、祖父と近所の人々に囲まれて小麗は成長していく。


この作品は女優でもある監督蒋雯麗の自伝的映画と言われている。初監督作品とは思えないよい出来。彼女の感性を感じる。林良忠(台湾)のカメラも感情過多になりすぎず、おじいちゃんと孫娘の日々を淡々と撮っていく。おじいちゃん役の朱旭の演技がすばらしいのはいうまでもない。
蒋雯麗は監督以外に語り部分(初めと終わりに登場)も担当しているが、彼女の声は雰囲気がある。子供の頃を懐かしんで、おじいちゃんを思って、そして今だから理解できるおじいちゃんの心を思って静かに語る声は、懐かしさと優しさ、いとおしさが詰まっている。


蒋雯麗主演「立春」(監督は夫でもある顧長衛)も「我們天上見」も挫折が伴う。「我們天上見」の小麗は体格がふさわしくないと正式には体操を教えてもらえない。蒋雯麗は高考に受からず工場で働くなど少なからぬ挫折を味わっているようだ。そんなところが彼女の演技の厚みの由来なのかもしれない。
2010.10.14@香港大会堂(中國電影展2010・她們的光影世界)


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