悪人

《悪人》妻夫木聡深津絵里柄本明樹木希林岡田将生満島ひかり 
李相日:監督


吉田修一の同名の小説の映画化。ストーリーは公式サイトへ。


小説を面白く読み、主演の深津絵里モントリオール国際映画祭で主演女優賞を受賞したこともあり、大いに期待していた。映画はかなり小説に忠実に作られていた。それぞれのキャラクターのイメージは私の読後感と違うが、物語は破綻することもなく、丁寧に撮られていた。ただ驚きが感じられなかった。これは小説を読んでしまった人の不幸なのかもしれない。主人公の容姿にしても、表情にしても小説はある曖昧さをもっている。映画はその曖昧さを映像化しなくてはならない。そこに驚きがあったり、新しい解釈があったりするのだが、映画《悪人》はある程度期待したとおりのいい出来、というか期待を裏切ってはくれなかった。贅沢な不満かもしれない。
2010.10.23@The ONE百老匯(香港亞洲電影節)


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