忌廉溝鮮奶

《忌廉溝鮮奶》艾迪、李燕燕、葉徳嫻、厳秋華、胡楓、路家敏 
單慧珠:監督 1981年 DVD


丁玲と丁當の父母は離婚し、母は丁玲を連れ海外へ勉強に、父は丁當を連れ離島の教師となった。10年後、母は教育界で名をなし、丁玲は小学校の教師となっていた。丁玲は行くへの知れなくなっている父と弟を捜している。丁玲の彼氏・楊光はソーシャルワーカー。彼が扱う問題児の1人に阿蘭という娘がいる。彼女の母は娼妓、阿蘭の父はインド系の人で彼女は子供ころからいじめられており、母に反発して自殺未遂を繰り返している。阿蘭の妹・阿花には丁天生という彼氏がいて、2人はインチキポルノ雑誌を売っている。
楊光の話を聞いた丁玲は、丁天生が長年探している弟ではないかと尋ねて行くが、否定されてしまう。そんなころ丁天生の父は肺病で亡くなる。阿花は未成年なのにも関わらず母によって酒場勤めを強要される。ある日酒場に警察の手入れが入り、未成年の阿花は逃げる途中で誤ってビルの屋上から転落して亡くなる。怒った彼氏の丁天生は阿花の母を刺し逮捕されるのだった・・・。


なんだかとっても教育的な映画だった。70年代の香港電台製作のドラマあたりの雰囲気が濃厚。
問題児や貧困家庭、孤児、小学校で生徒からも教師からも差別される新移民の子、さらにその新移民の子をいじめ教師から目をつけられ、いわれない罪を着せられる子が登場する。そして問題に真摯に向き合おうとする教師やソーシャルワーカーがいる。阿蘭と母は、妹の死がきっかけになりわかり合うし、丁天生は自分を捨てた母を最終的には受け入れる。
娼妓を演じた葉徳嫻は、この映画で金馬奨最佳女配角を受賞している。この母と娘たちの言い争いは迫力。貧困家庭の病気を持った知恵おくれの少年を若い若い田啓文が好演している。
タイトルの《忌廉溝鮮奶》はシュウェップスのクリームソーダと牛乳を混ぜた飲み物のことで、丁當と父がこれが好きだという設定になっている。


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