長洲太平清醮

佛誕でもある5月10日、長洲で饅頭祭り(正式名前は長洲太平清醮)のハイライト、パレードと饅頭獲り競争(こちらは深夜)が行われた。今年の人出は昨年より少なめで2万8千人ほどとか。それでも狭い島内に人が溢れる。
パレードは午後2時から。よく晴れ渡った空、32度という温度に日焼け止めもあっという間に汗とともに流れ出すなか、島の各町内の御輿、麒麟や獅子の舞い、太鼓、銅鑼、そして飄色(子どもが歴史や物語の人物に扮したり、時事を諷刺するような扮装をする)が北帝廟から天后廟までを練り歩いた。
長洲・饅頭祭り。
毎年島ではこの日、「平安」と印を押した饅頭「平安包」が売られる。これを買って帰るのが島へ遊びに来た人の楽しみのひとつでもある。普段は店の前に蒸し器を置き饅頭を蒸す店や、蒸し器から取り出した饅頭を並べ「平安」の赤い印を押す作業をする店がある。ところが今年、食環署(食物やレストランの衛生状態などを取り締まる政府機関)が先週突然、「街頭で饅頭を蒸したり、平安の印を押すことまかりならん」と言ってきた。各店は店内が狭いため、店の内だけで大量の饅頭を製造するには限界がある。また店の外に蒸し器を置いたり、平安の印を押したりすることが祭りの雰囲気を盛り上げる効果にもなっていた。
島内に「平安」饅頭を売る店は、数件あるが、饅頭祭り委員会が指定する店は2軒あり、2軒合わせて祭り期間に十数万個の「平安包」が作られるそうだ。
この2軒、郭錦記と康蘭餅店のうち郭錦記は政府の措置に抗議して、この日、店を休んでしまった。もう1軒は店外での作業を禁止されたため、通常10万個つくるところが7万個しかつくれず、1人4個までの購入と制限をつけることになった。
店の経営者はもちろん島を訪れた人、さらには饅頭祭り委員会も、政府の無粋な措置には多いに怒っている。


祭りの委員会は、食環署がお触れを出した翌日に神様をまつってある場所の竹組が突然燃えたのは、きっと北帝が怒っているのだ、さらに今回祭りのあとにもし長洲で疫病が発生でもしたら、絶対に食環署の責任を追求するとまで言っている。また、「政府は長洲島民に観光地としてしっかりやりなさいと言っておきながら、こうやて足を引っ張る。観光客は饅頭を買いたと思って長洲に来るのに、買えないでは、どうやって観光を推進していくのか聞いてみたい」とも言っている。


まったく無粋な政府は、なんとかして欲しいといいたいところだが、この措置、発端はどこかのクレームらしいという話もあり、競合店の嫌がらせ・・・・?