兒女債

《兒女債》
張活游、紫羅蓮、李清、容小意、黄楚山、黄曼梨、李鵬飛、李小龍 
秦劍:監督 1955年 モノクロ 粤語


子明(張活游)の会社の社長・汪(李鵬飛)は子どもが欲しいが出来ない。子明の会社の雑務係の全(黄楚山)はすでに4人の子どもがいるのに妻(黄曼梨)は5人目を妊娠中だ。妻は働けず、子だくさんの貧乏、日々の暮らしにも困っている。子明(張活游)と淑英(紫羅蓮)夫婦は共働きで、妻は現在妊娠中。生まれてくる子を楽しみにしている。子明の隣に住む夫婦は、夫の文傑(李清)は大学を出て教師の資格をもっているのに失業中で、妻の珍(容小意)は妊娠を夫に話せないでいる。管理人夫婦の1人息子(李小龍)は甘やかされて育ち、遊んでばかり。
ある日、淑英は自動車事故にあい流産し悲しみにくれる。子明も多いに落胆するが、ふとしたきっかけで父母のいない赤ん坊を養子に取ることにする。田舎から出てきた母と子明・淑英夫婦は赤ん坊を我が子のように可愛がった。しかし実はその赤ん坊は、悩んだすえに養子に出すことにした生まれたばかりの全の娘だった。全の妻は泣く泣く赤ん坊を養子に出したものの、気になって仕方がない。子守の仕事を得たものの、赤子を見ると自分の娘を思い出し、仕事に身が入らず首になってしまう。
流産し養子を取った淑英は、しばらく教師の仕事を休むことにした。自分の代わりに隣室の文傑を教師に推薦したが、田舎の母が出てきたため、再び仕事に戻ることに。と同時に文傑はふたたび失業してしまう。将来の見えない文傑は妊娠中の妻・珍に辛くあたってしまい、妻は思い悩んで流産させるため怪しげな薬を飲んで苦しむが、手当が早く母子ともに事なきを得る。。。


子明(張活游)と淑英(紫羅蓮)、全(黄楚山)と妻(黄曼梨)、文傑(李清)と珍(容小意)、汪(李鵬飛)と妻(林妹妹)の4組の夫婦の、子どもを持つことに対する考え方や態度を描いていく。
根底には助け合いの精神があり、たとえ養子であっても実子であっても、子どもを育てていくことは親の責務であると説いていく。
4組の夫婦のうち、社長夫婦は少しコメディ要素を持たせて軽く流しているが、残る3組の夫婦の心の機微を丁寧に丁寧にしつこいぐらいに描いていく。
2011.5.14@香港電影資料館「人人為我,我為人人:中聯電影」


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