玉女私情

《玉女私情》尤敏、王引、張揚、藍天虹、王莱 
唐煌:監督 1959年 電懋 
モノクロ 國語 無字幕


作家の父と二人暮らしの佩英(尤敏)の元に、イタリアに住んでいる叔母・曾夫人(王莱)が尋ねてくる。母とそっくりだと父が言っている叔母に会うのを楽しみにしていた佩英は、叔母に会って大喜び。叔母・曾夫人も佩英に服を仕立ててやったりと可愛がる。しかし叔母だと思っていた曾夫人が実は佩英の本当の母親で、生まれて間もない佩英と父を置いて男と出奔していたのだった。曾夫人は佩英に音楽の勉強をさせてやろうとイタリア行きをすすめる。しかし有る日、佩英は父と曾夫人のやりとりから、自分の本当の母親が曾夫人であることを知り曾夫人をなじるが、父に諭される。すべてが上手く行くかと見えた佩英の誕生日、父が車にはねられ片足を失ってしまう。取り乱す佩英はイタリア行きを拒む。入院中の父の元に曾夫人が現れ、佩英は自分と曾の子供だと父に告げる。父は已にそのことを知っていたと話す。そして見舞いに来た佩英に真実を告げ、冷たく突き放す。退院した父は行くへが分からなくなり絶望の佩英はイタリア行きを決める。佩英らが飛行機に乗ろうとした時、父が飛行場に見送りに来たのを見つけ、佩英は飛行機のタラップを駆け下りるのだった・・・。


国語無字幕なので細かいところは不確か。
尤敏の清楚なお嬢様ぶり(泣いているシーンも多いが)、ほぼ主役級の王莱の存在感が光る。夫と娘を捨て男と逃げ、さらに舞い戻ってきて娘を連れ帰ろうとするかなり自己中心的な女性であるが、不思議と嫌みを感じさせない。むしろ女性の哀しさを十分に表現して、見るものを納得させてしまう。実は父の方も、実子ではないと気づきながらも、実の娘として育てている。よく見れば、大人たちの身勝手に人世を翻弄されているのが、可憐な娘の佩英という構図。
尤敏と王莱は10歳ほどの年齢差なのに親子を演じている。
2011.8.13@香港電影資料館(緑葉常青−李香琴・羅蘭・雷鳴・王莱)


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