撞到正

《撞到正》
蕭芳芳(ジョセフィーヌ・シャオ)、鍾鎮濤(ケニー・ビー)、關聰、劉克宣 
許鞍華(アン・ホイ):監督 1980年 


馬家の叔父は、長洲の饅頭祭りに粤劇団を呼んで粤劇を上映しようとしている。さらに馬家唯一の跡取りDick(鍾鎮濤)を島に呼び寄せていた。馬家は、Dickの母方の祖父の恨みを買っており「子孫は根絶やしにしてやる」と呪われていたが、叔父は母方の祖父の孫が粤劇団で女優をしているのを知り、この女優の阿芝(蕭芳芳)とDickを結婚させてしまえば、呪いの相手が親戚になり呪いは解けるのではないかと考えていたからだった。
Dickの母方の祖父が馬家を呪ったのは、かつて馬家がDickの母方の祖父に偽の薬を売り、その薬を買った軍人たちが多数死亡、Dickの母方の祖父はこの軍人たちに殺され、死の間際に馬家を呪ったのだった。ところがこの粤劇団の男優に猫屎と名乗る女性の幽霊が取り憑いてしまう。猫屎もまた軍人たちと同様、被害者の1人だった。さらに、女の幽霊やら軍人の亡霊やらが登場して、劇団は大混乱に・・・。


劇団は大混乱だが、話も大混乱で、けっこうドタバタしている。阿芝は賭け事が好きで少しはすっぱな感じでけして上品とはいえない女性だが、蕭芳芳は長い手足をばたばたさせながら、独特のしなをつくったり、やなげやりっぽい台詞回しで演じている。モノクロの粤語片でおなじみの劉克宣が出演しているのも興味深い。
蕭芳芳が子供たちと馬跳びをするのは埠頭とは反対側の海岸沿いの道で、ここはいまでも同じ風景。その他、北帝廟も登場。饅頭祭りそのものは映らないのが残念。
前回見た時には字幕がなかったのだが、今回は字幕の入った版だった。上映前の説明によると、この映画、版権に問題ありで上映が難しかったのだが、最近になり版権問題が解決したので上映出来ることになったそうだ。すると一切ソフトがなかったこの映画、ソフト化の可能性もあるのだろうか。
2012.1.24@西九大戲棚


■□12年に見た映画一覧□■