人約黄昏後

《人約黄昏後》
白燕、張瑛、麗兒、伊秋水、林妹妹 
呉回:監督 陳其鋭:セット 
モノクロ 粤語 1951年 永茂


孤児の葉倩如(白燕)は、小さい時から叔父の雷壽康(伊秋水)の世話になっていた。高校を卒業した葉倩如が大きな荷物を抱え叔父の家に戻る途中の駅で、失礼な男(張瑛)に出会い不愉快な思いをした。叔父の家に帰ってみると、件の失礼な男・司徒再明も叔父が面倒を見ている誼子(亡くなった親友の息子)でちょうど学校を終え戻ってきたところだった。最初はお互い印象の悪い2人だったが、次第に惹かれあうようになっていた。ところが叔父の娘・素琴(麗兒)が再明を慕っており、娘に甘い母親は、なんとか素琴と再明の仲を取り持とうと、やっかいものの葉倩如を別荘に追いやり、大酒のみの甥・白新吾(馮應湘)とくっつけようとした。失意の葉倩如は・・・


細かい描写の積み重ねがやりきれなさを助長してクライマックスに向かっていき、義理と愛情の板挟みになる張瑛と白燕の切なさがほの暗い画面からふつふつと溢れてくる。またも不幸が似合う白燕の演技が光る。さらに白燕が陰なら、陽を演じるのは彼女とは対照的に無邪気さを装う麗兒。2人の対比があってこそ白燕と張瑛の苦悩が浮かび上がってくる。
2012.11.09@香港電影資料館(穿梭古今・雕城鏤棟 ― 大佈景師陳其鋭、陳景森父子相輝展)


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