11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち

《11.25自決の日》
若松孝二:監督


昭和45(1970)年、作家・三島由紀夫が、楯の会の会員4人と自衛隊市ヶ谷駐屯地で総監を拘束し、自衛隊員を集めバルコニーから演説後、自決した事件を描く。詳しくは公式サイトへ。


映画だけを見ても、三島がなぜそれほどまでに自衛隊の決起とクーデターを熱望したのかはなかなか理解できない。切腹するなど、どう考えて狂気の沙汰なのに、その狂気、つまり"熱"のようなものが感じられない(分からない)。さらに細部が気になる私には、出演者たちの服装や住宅、家具調度などが気になってしかたがない。特に大田区にあった三島の自宅はロココ風の洋館だったが、スクリーンに映る建物の外観はどこかの建て売り住宅のようだし、住宅内部も白いギリシア風の柱のあるおかしな作りだった。また、たぶんデジタルで撮ったであろう画面に深みがないことも、なかなか時代性を映し出してくれない理由の一つだったかもしれない。
より三島事件を理解するためには、youtubeにあがっている1984年に放送されたテレビ番組「松本清張事件にせまる」の三島由紀夫の回が有効だ。
2012.11.10@香港亞洲電影節(百老匯電影中心)


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