北京遇上西雅圖(北京ロマンinシアトル)

《北京遇上西雅圖》
湯唯(タン・ウェイ)、呉秀波(ウー・シウポウ)、金燕玲(エレイン・ジン) 
薛曉路(シュエ・シャオルー):監督


文佳佳(湯唯)は、おもいっきりセレブ気取りで意気揚々とシアトルにやってくる。ところが空港で待ち合わせたはずの人がなかなかやってこないで待ちぼうけを食わされる。やっとやってきた車の運転手フランクに怒りちらして嫌な女丸出しだ。今夜の宿に近くで警官を見つけて焦るフランク。佳佳は実は妊婦で、北京からアメリカにはるばるやってきて、ここで子供を産もうとしているのだ。泊まるはずの大陸人御用達の出産までの宿は警察に摘発されてしまった。フランクは、知り合いの台湾人経営者(金燕玲)の宿にしようと提案する。露骨に嫌な顔をする佳佳だがフランクは、ココしかないと強引に連れて行く。
お金はたっぷりある佳佳は宿でも好き放題。札びらで相手のほっぺたを叩くように経営者の部屋がいいとダダをこねて自分が居座るし、他の客と張り合ってもめる始末だ・・・


物語がよくできていて、実はお金持ちの愛人である佳佳の立場や、今はしがない運転手をしているフランクは事情があって娘と二人ぐらししていること、同じ宿でやはりお産を待つ女性たちの事情なども物語の進行と共に徐々に明らかになっていく。その中で独りよがりだった佳佳がだんだんと他人の気持ちに理解を示し、自らも変わっていく様子が描かれている。湯唯がずうずうしくて身勝手で嫌な北京女から優しく自立した女性に成長していく様を好演しており瞠目。一般的なモラルを崩さず、上手く物語りを構築しているのに感心する(大陸上映しても物議をかもすことはない)。さらに全編アメリカで撮影しているため、お洒落なコメディになっており、大陸(香港との合作だが)がこういう娯楽作品を作れるようになっていることも注目に値する。
フランクを演じる呉秀波は、大陸の俳優でドラマ出演が多いようだが、《四大名捕》にも出演しているようだ(記憶なし)。薛曉路は李連杰ジェット・リー)主演の《海洋天堂》の監督。一応香港と大陸の合作映画。ちなみに「西雅圖」はシアトルの事。
2013.4.1@The One 百老匯


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