西游・降魔篇(西遊記〜はじまりのはじまり〜)

《西游・降魔篇》
文章(ウェン・ジャン)、舒蒞(スー・チー)、羅志祥(ショウ・ルオ)、李尚正(リー・ションチン)、陳炳強(チェン・ビンキャン)、黄渤(ホアン・ポー)、行宇(シン・ユー)、周秀娜(クリッシー・チャウ) 周星馳チャウ・シンチー)・郭子健(デレク・クォック):監督 2013年 DVD


玄奘(文章)は、驅魔人(悪霊払い)として『兒歌三百首』を手に修行に励んでいるが、他の驅魔人のように手際よく簡単に悪霊を追い払うことは出来ない。ある日、海辺の村で巨大魚の悪霊から幼い少女を救えなかった玄奘は、師匠の元で嘆き悲しむ。師匠は「十分力を尽くしたのだ。あと少しだ」と話す。そのあと少しは、五指山にいる伝説の孫悟空を訪ねればよいと教えられ、旅立つのだった。


2013年の旧正月映画として公開された作品。久しぶりの周星馳映画、それも西遊記物とあって、公開前からかなりの注目度であった。帰国直後の公開だったため香港で見ることはできず、DVDも長いこと開けることが出来なかったが、ようやく見る時間が出来た。
物語は孫悟空が主役ではなく、玄奘、つまり三蔵法師が主役で、玄奘孫悟空を探す過程で成長し三蔵法師が誕生する物語になっているのがミソ。北京語と広東語の両方で上映されるためにやはり言葉によるギャグは少ない。また、周星馳特有のフリークな造形の人物も少なく、見た目的にはかなりおとなしい感じがする。ただし、美男子が実は非常に醜い豚だったり、人の顔を殴って変形させたり、孫悟空の造形もかなり醜悪だったりと周星馳的グロテスクは健在。(そこがいまひとつ受け入れられないので、周星馳大好きと大きな声で言えないことろなのだが・・・)
物語の魅力はあくまでも自らの信仰を貫く玄奘と、なんど拒絶されても自らの愛を貫こうとする段小姐(舒蒞)にある(下手すればストーカーですがw)。玄奘演じる文章は、顔がつるりと綺麗になった若い學友みたいで、初々しい感じがはまり役。最後坊主になることを想定しての人選だったのか。段小姐も、これを見てしまうと舒蒞以外考えられない。
しかし、信仰を貫く玄奘には新たな修行が用意されているのだが、愛を貫く段小姐には・・・・。


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