飛砂風中轉(ジ・エレクション 仁義なき黒社会)

《飛砂風中轉》
陳小春(チャン・シウチョン)、鄭伊健(イーキン・チェン)、方中信(アレックス・フォン)、余安安(キャンディス・ユー)、劉浩龍(ウイルフレッド・ラウ)、 陳子聰(コンロイ・チャン)、葉璇(ミッシェル・イエ)、郭峰、曾國祥(デレク・ツァン)、黄又南(ウォン・ヤウナム)、 C君 (農夫)、藍奕邦 荘文強(フェリックス・チョン):監督 2010年


火腩(曾國祥)は少年の頃、料理人の父親がヤクザ者に脅されているの見て自分がヤクザになれば脅されないと考え火水(方中信)の組に入った。組織は勢力をどんどん拡大して、火水はついには和義盛のトップになった。火腩(陳小春)は当初の願いどおり自らのレストランを持ち、今やほぼ正業についているといってもいい状態だ。和義盛は次のトップを選ぶ時期に来ていたが、今やヤクザ組織を維持するのは大変でなり手がない。手堅く商売をしている火腩が候補に挙がるが腩にはそんな気はさらさらない。そのころ鴨梨(余安安)の息子・燕子文(鄭伊健)が刑期を終え出所してきた。鴨梨は当然、息子を次期トップに推すだが刑務所内ですっかり更正した燕子文は勉強しようと考えており、ヤクザ組織を継ぐ気などまったくない。そんな2人が和義盛のトップの座を賭けて争わなくてはならなくなった・・・・


杜琪峰の《黒社会》では殺し合いまでしてみなが欲しがった龍坤はここでは年代物の椅子の脚と区別が付かないほどのシロモノになりはてている。坐館(組織のトップ)も昔のようにだまっていればお金がやってくるでもなく、ヤクザ構成員を食べさせるために苦労するだけの地位になり、とうてい魅力的ではなく、なり手がいないというとなんとも滑稽なお話。歴代の黒社会映画を皮肉っているのも甚だしい。この話を本当に楽しむには、それ相応の香港映画鑑賞経験が必要なのかもしれない。
2014.1.14@Cinamart六本木


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