冰封侠 重生之門(アイスマン)

《冰封侠》
甄子丹(ドニー・イェン)、黄聖依(ホアン・シェンイー)、任達華(サイモン・ヤム)、王寶強(ワン・バオチャン)、喻亢、林雪(ラム・シュ)、廬海鵬(ロー・ホイパン)、黄文慧(ウォン・マンワイ) 羅永昌(ロー・ウィンチョン):監督 
2014年


明朝嘉靖の末年、錦衣衛の賀英(甄子丹)は皇帝の命を受け天竺に赴き「時空金球」持ち帰ろうとしていた。その道中の雪山で、突然あらぬ疑いを掛けられ、賀英は捕らわれてしまうその刹那、突然雪山が轟き巨大な雪崩が起こり、賀英は元龍(任達華)、聶虎(喻亢)、薩獒(王寶強)ら3人と雪崩に巻き込まれ時給を超え現代の香港へやってくることになってしまった。
冷凍輸送されていた賀英らは、アクシデントで解凍され蘇った。賀英はハロウィーンに涌く蘭桂坊で知り合った小美(黄聖依)のウチに連れてこられた・・・・


1989年の映画、霍耀良(クラレンス・フォ)監督《急凍奇侠》(タイム・ソルジャーズ/愛は時空を越えて)のリメイク。オリジナルは元彪(ユン・ピョウ)、元華(ユン・ワー)、張曼玉マギー・チャン)。鳳三(元華)は宮廷の女性たちを辱め殺害するという極悪非道ぶりで皇帝の怒りを買い、方守正(元彪)が彼を追うというのが物語の大筋だが、リメイクでは濡れ衣を着せられた賀英(甄子丹)が、天竺から持ち帰った宝を皇帝に手渡すのを阻止しようと彼を亡き者にしようとする王寶強、喻亢、任達華との戦いになっており、悪役が1人だったオリジナルから3人へと増えて、話しが複雑になっている。またオリジナルでは張曼玉と元彪の「愛」にかなりな比重がおかれていると共に、コメディ要素も見所になっている。
冒頭の高速道路上のシーン、馬が出てくるシーン、トイレの水を飲んでしまう、張曼玉のキャラクターなどかなりな部分でオリジナルの要素を踏襲してリメイクは作られている。しかしこのリメイク版、途中で終わっている。続きを作るつもりだったようだが、今のところその気配は見えない。
青馬大橋を通行止めにして撮ったシーンがリメイク版の最大の見せ場だろうが、ベンハーに出てくるような丸い楯や鉈のような武器の動きも不自然さがつきまとう。一番の見所は王寶強。この後に作られた《一個人的武林》でさらに彼を印象づけることになるが、王寶強が動けることが分かったのがこの映画の収穫。もともと少林寺の俗家弟子、動けてあたり前だが、香港映画では誰もこれまでアクションをオファーしていなかったようだ。
2015.03.10@シネマート六本木
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