恐怖份子(恐怖分子)

《恐怖份子》
繆騫人、李立群、金士傑、顧寶明、王安 楊徳昌:監督 
1986年


台北の朝、警察に包囲された強盗犯の部屋の窓から淑安(王安)は飛び降りた。たまたまそれを目撃したカメラマンの小強(黄嘉晴)は足を骨折した淑安を病院へ連れて行った。作家の周郁芬は筆が進まない。郁芬の夫で病院の検査技師・李立中(李立群)は、突然の上司の死で自分に出世のチャンスがあるかもしれないと考える。淑安がかけたいたずら電話で4人の運命は思わぬ方向へと動き出す。


初見は1990年代、2012年に今回と同じリマスター版を香港で見ている。
繆騫人は大好きな女優の1人で、こういう内省的な役が彼女の雰囲気にもあっていてとても上手い。また、淑安を演じる王安はその後どんな映画に出演したのかしらないが、彼女の怒ったように突き刺す瞳も魅力的だ。何回見ても空気や光を感じる画面に引き込まれるし、ほんの少しの行き違いが最後にはとんでもない悲劇を引き起こしてしまう物語にひたひたと恐怖を感じる。ことさらに感情移入のない画面だけにその突き放した感覚がより恐ろしい。今見ても古くなっていない題材であることにも驚かされる。
2015.03.17@イメージフォーラム
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