黒夜行路(Call If You Need Me)(黑夜行路)

ティーチインのピート・テオさん。
Pete Teo(張子夫)、Sunny Pang、Chua Thien See、Loh Bok Lai、Mohan Ramana、Chye Chee Keong ジェームス・リー(李添興);監督
2009年


オーキァ(Sunny Pang)は従兄のスン(Pete Teo)を頼って田舎からクアラルンプールに出てきた。スンはヤクザで数人の手下を使っていた。スンはオーキァを可愛がり目をかけていた。スンにはペン(Chua Thien See)という彼女ががいるが、突然姿を消してスンを心配させたりしてた。ある日スンは、ボスに新しい仕事を任されたので今の仕事をオーキァに譲ると話し、手下のうちワーだけを連れていった。オーキァは地道に稼いで、家を買い、ベンツを運転し、美人の彼女とレストランで食事をし、妹を台湾に留学させようとしていた。ところが、新しい仕事をしているはずのスンが窮地に陥っていた。。。。


ヤクザ映画なのに派手なドンパチや血生臭い場面はない。退屈しそうな時間の中で、物語は緩慢に進んでいく。一度しか行ったことはないが、マレーシアは香港とはまったく違うこの映画のように妙にゆっくりとした時間が流れているように感じた。マレーシア映画では香港映画のような派手なドンパチは起こりそうにない。しかしそんな緩やかな時間の中に、銃弾より冷徹な裏切りが潜んでいる、そんな映画だった。ひいた画面がより一層、冷ややかさを伝えていた。
上映後にスンを演じたピート・テオのティーチインあり。「ヤクザはヒーローじゃない。いつも何かを待っているだけのつまらない商売だ。映画は低予算。銃撃シーンにはお金がかかるし、この映画のテーマは愛情(裏切り)なので、派手な銃撃は必要なかった」などと話していた。さらに興味深かったのは「普通、顔のクローズアップにはカメラが人に近づいていくが、予算がないので俳優がカメラに近づいていくというのがマレーシア・ニューウェーブの特徴になっている」と話していたこと。また「このような中国語映画をマレーシアで上映するのはなかなか難しく(国産映画はマレー語で上映しなければならないという規則があるようだ:詳しく調べる必要あり)、海外の映画際などで上映するようになってしまっている」とも話していた。香港國際映画際でも賞を貰っており、その時には審査員だった陳果が好評していたようだ。
オーキァ役のサニー・パンはシンガポールのアクション俳優。本来スンとオーキァの台詞は広東語だったが、サニー・パンは広東語が上手ではなかったため彼が話せる福建語になった。ピート・テオは福建語は上手くないが監督はぼくをいじめるのが好きだからとも。またオーキァは烏仔だと劇中で言っていた。で、烏仔を調べると、魚らしいののだが??(ティーチインはメモを取っていなかったので記憶違いがあるかもしれない)
2015.04.11@シネマート六本木(マレーシア映画ウィーク)
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