共犯(共犯)

《共犯》香港版ポスター
巫建和(ウー・チエンホー)、鄭開元(チェン・カイユアン)、[登β]育凱(トン・ユィカイ)、姚愛寗(ヤオ・アイニン)、温貞菱(ウェン・チェンリン)、洪于晴(サニー・ホン)、李烈(リー・リエ)、柯佳嬿(アリス・クー )、梁赫群、黄鐙輝、黄采儀 張榮吉(チャン・ロンジー):監督 
2014年


黄立淮(巫建和)はある朝、登校の途中で少女(姚愛寗)が倒れているのを発見した。同じ学校に通う模範的生徒の林永群([登β]育凱)と不良っぽい生徒葉一凱(鄭開元)が偶然その場を通りかかった。3人は少女の死の真相を探ろうとした・・・。


水、泥水、血、水に沈んでいく人物などオープニングが印象的で引き込まれ期待させられる。学校を舞台にし、ミステリーの姿を借りて少年たち少女たちの心の闇や孤独を描き出そうとしており、香港映画では見られない題材だ(内容は違うが《告白》を思い出した)。見ている時にはそれなりに緊張感もあるのだが、見終わってみると意外に静かであっさりした印象を受けるのは不思議だ。
孤独とは、ある日突然に大波のように劇的やってくるものではなく、水が足から足首、そしてだんだんと体全体を覆い尽くすようにひたひたと静かにやってくる。体全体を覆いつくし心の深いところにまで達しどうやってもぬぐい去ることができない孤独が彼らの体から溢れだし、世界を孤独という皮膜で包んでしまったのか、衝撃的なシーンでさえ薄い膜を隔てた向こうで起こっているように見えてしまう。膜があるからはっきりと見えないのではなく、膜があるからこそ目を凝らして細部を見てしまう。少年少女たちの表情や風景の細部に何か隠されたものはないのかと見入ってしまうのだった。
2015.07.25@新宿武蔵野館
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