有一個地方只有我們知道(あの場所で君を待ってる)

《有一個地方只有我們知道》
呉亦凡、王麗坤、熱依扎、張超、徐靜蕾、叢珊、黄立行 徐靜蕾:監督 2015年


金天(王麗坤)は、祖母が亡くなり彼との結婚の夢にやぶれプラハにやってきた。プラハは若い頃祖母が暮らし恋をした街でもある。そこで金天はチェロ奏者の彭澤陽(呉亦凡)に出会った。

ネタバレあり。
過去と現在の物語が交錯しながら、2つの世代の恋愛が語られていく。結末は想像できるし大きな驚きはない。こんな話しはどこかで見たような気もするのだが思い出せない。
この物語の登場人物はみな誰かと「別れ」ている。金天は祖母(実は血は繋がっておらず、父の叔母)と死別、彼と別れ。その祖母は若い時に愛した人と別れ中国に戻っている。祖母の愛した人は、亡くなったと思っていた妻が生きている事を知るが祖母とも別れられないでいる。ところが祖母は妻のある彼との別れを選んでいる。彭澤陽には子供がいるのだが、子供の母とは別れている。彭澤陽の母は夫との別れを受け入れられず精神を病んでいる。
祖母の世代は別れを選択しているが、心の中ではけして別れてはいない。長年その思いだけで生きている。別れを受け入れられない母は、祖母の愛した人の妻の立場とも見える。もし祖母の愛した人が祖母との愛を取れば、妻は彭澤陽の母と同じ立場になったかもしれない。そして金天と彭澤陽は、一度は別れを選択しようとするが最後には自分の気持ちに忠実に生きる道を選ぶ。
何らかの障害があって別れるにしても別れないにしても、結局はどうやって受け入れていくか、そして受け入れたあとどうやって生きていくのかが重要だ。たから別れを受け入れた祖母たちも不幸なのではなく、十分に幸せであったと思いたい。


主役の呉亦凡は韓国で男性グループEXOの一員としてデビューしていて人気らしい(今は脱退)。顔がいまいち好みではなかった。女優は羽田美智子菅野美穂を足してにで割ったような顔だち。そしてやっぱり一番美味しところを徐靜蕾がもっていく。
2016.09.06@Cinemart新宿
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