敗家仔

《敗家仔》張瑛、盧敦、白燕、黄曼梨、容小意 
呉回:監督 1952年 
モノクロ 粤語 無字幕 新聯


父がアメリカに行っている一家の息子・昌(張瑛)は母(黄曼梨)が甘やかされて大人になった。父の知り合いの娘・娟(白燕)を嫁にしているが、働いておらず、夜な夜な出かけては倶楽部に出入り、賭け事に夢中になっていた。母は母で小銭があれば、隣家と麻雀卓を囲んでいる。
ある日、父から大金の小切手が送られてくる。昌は勇んで倶楽部へ出かけて意気揚々。倶楽部で踊りの上手い美女を知る。美女は好いところのお嬢様らしく、彼女の叔母伯父夫婦は資産家であるらしいと知り、昌は叔母に取り入って、甘い汁を吸おうと考える。ところが叔母は叔母で、昌が父はアメリカで成功していると吹聴するのをすっかり信じて、姪を使ってなんとか昌から金を引き出そうと考える。
ある日、父が人助けの為、急にお金がいるといって娟を訪ねて来る。娟は結婚の時に義母からもらった金の腕輪をひとまず父に渡して急場をしのぐように言う。お嬢様との遊びに夢中の昌は、金を母にせびるが無い袖は振れない。ふと思い出し絹に金の腕輪を出すように言うと娟は父に貸したという。昌は絹が腕輪を盗んだと騒ぎたてる。そこに娟に父が腕輪を返しにやってきて、ひとまず誤解は解ける。そのころ、昌の父が帰国するとの知らせがやってくる。昌はアメリカで成功した父が帰ってきたら、お嬢様と結婚と自分でシナリオをつくり、ついには娟と分かれると言い出し、絹は仕方なく、実家に戻る。
アメリカから帰った父は成功して大金を持っているわけではなく、香港で洗濯屋を始めるのだった・・・。


その後、当然のことながら、お嬢様の叔母伯父には昌の父の身分も分かり、昌はどんどん化けの皮がはがれて、さらには家からも追い出され街をさまよう。その間、昌の父は息子の嫁とも知らず洗濯屋で娟を雇い入れていた。最後、行く当てもなく金もなく街をさまよっていた昌も洗濯屋を手伝うようになるのだった。


もうなんといっても、張瑛のバカ息子ぶりが最高で、黄曼梨の息子溺愛もばからしいほど可笑しい。
2010.11.20@香港電影資料館(六十年電影光輝 ・ 從長鳳新到銀都)


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