樑上佳人

《?上佳人》林黛、雷震、唐真、呉家驤 
王天林:監督 1959年 粤語 無字幕 モノクロ 


叔父から生活費を支給されているおぼっちゃまの司徒大維(雷震)の部屋にある夜、美人の泥棒・趙文瑛(林黛)が忍び込んだ。散らかった部屋でテーブルにつまずいた文瑛は、大維に見つかってしまうが、人のいい大維は、この一家揃って泥棒家業だという美人の泥棒・文瑛に説教をし、誰かと結婚でもして子供を生めばいいと話す。文瑛は、なぜかこのお人好しの大維が気に入り、なんとか自分に振り向かせようと考える。
実は大維には婚約者(唐真)がいるのだが、この結婚は金の為と思っている。それを知った文瑛は一計を案じ、偶然を装って大維の叔父に近づき「自分は好きな人がいるのだが、彼が金持ちの女性と結婚すると言っている。それにはいつも彼に生活費を渡している叔父が、彼に贅沢を覚えさせたからだ」と話し、気のいい叔父はこの娘の恋をなんとかしてやろうと考え、男の名前を聞き出すと、それは自分の甥・大維だった。一方、文瑛の父は、彼女が最近結婚するのもいいなどと言い出すものだから、せっかく優秀な泥棒に仕込んだんのに、男に持って行かれては大きな痛手とばかり、大維の元にやってきて賠償しろと言い出したからさあ大変だ。
大維、叔父、文瑛、文瑛の父、大維の婚約者、さらには文瑛一家をお縄にしようと追いかけ回している刑事も巻き込んで話しは進んで行く。さてさて、文瑛は大維を振り向かせることが出来るのか?


お人好しの雷震が、2人の女性の間で右往左往。林黛は大きな瞳をくるくるさせながら、あの手のこ手で雷震を困らせてゆく。林黛の魅力いっぱいで小洒落ている。だいたい主人公の男は働かなくてもよく、召使いの男と2人で眺めのいいマンションに住んでいるという設定がおとぎ話。ハリウッド映画からアイディアを貰った事も多いと王天林が自ら言っているように、どこかしら西洋映画っぽい。


そういえば、雷震は少しばかり呉彦祖ダニエル・ウー)に似ている。あとこんな役が出来そうなのは、梁朝偉トニー・レオン)かもしれないと思って見ていた。そしてそう考えると、楊徳昌エドワード・ヤン)が考えていた《色・戒(ラスト、コーション)》(id:hkcl:20071007参照)では、易先生が雷震だったのもなるほどと思える。
2007.11.10@香港電影資料館「大娯楽家・王天林」


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