陳可辛の新作

陳可辛の新作はミュージカル映画

金城武と周迅(ジョウ・シュン)主演の大型愛情ミュージカル映画《 母*1忘我》*2に2人の男優が加わり、映画は3人の王に1人妃になり、恋愛はさらに複雑になる。新しく加わる2人は、まだ誰になるのか確定していない。ただ、歌えて踊れる人物になる。
映画の中国語題は《母忘我》で、7800万香港ドルを投じている。アメリカの資金であるが、大部分のスタッフ、音楽、俳優は香港人なので、香港精神を表現するもので、もし大陸の観客がこれは香港映画ではないと思い、香港人がこれは大陸の映画だと思ったら、それは香港映画が成功したことだと、新作のプロデューサー兼監督・陳可辛(ピーター・チャン)は強調した。また彼は大陸の《天下無賊》は香港での興行成績は芳しくなく、非現実的な映画や古装だけが、この状況を打破出来ているという。例えば《功夫カンフーハッスル)》《十面埋伏(LOVERS)》《英雄(HERO)》などだ。ミュージカルが香港と大陸の両方に受け入れられるといいと話した。
金城武を主役に選んだことについては、金城武はこのストーリーにぴったりで、さらに彼はあまり映画に出ない俳優で、2年に1本程度、それだけでも価値があると話した。また、新しく加わる2人のキャストについては、金城に劣らない人物だが、まだ誰になるか決定してない。来週になれば、1人は公表出来るという。この映画の中で金城武は歌の部分を受け持ち、唱って踊るのは新しく加わる2人が受け持つ。
陳可辛は、実は自分はミュージカルは好きではないと笑う。全編ミュージカルというのは多くの観客も好きではないようだ。従って台詞はある。劇中劇の形を取っていて、主役は上海でミュージカルの撮影をしており、劇中のストーリーと現実の三角関係がリンクするという設定だ。《母忘我》はすでに北京で1か月あまり冬の部分を撮影した。現在は2か月の休暇で、インドから女性の監督を香港に呼んでダンス指導をしてもらう。その後、今度は上海へ行き2か月撮影、予定では5月に撮り終わり、8月香港、大陸、さらに日本、韓国などでも上映の予定だ。
陳可辛はさらにもう1本《等待》を監督する予定で、今年の暮れにクランクイン。現在はロシアでロケハン中。8、9千万元の資金で、主役はまだ決まっていないという。by 2005.3.5「大公報」

1人は張學友(ジャッキー・チョン)という噂もあったような気がするが。金城に劣らないキャストでしかも踊れる。そんな人材はいるのか。踊れるのは陳小春(チャン・シウチョン)とか郭富城(アーロン・クォック)とかいますが、張藝謀(チャン・イーモウ)にキャスティングされちゃった金城には劣るかも(汗)。

*1:「母」に似た字。

*2:以前《如果愛(Perhaps Love)》と言われていたものだろう。《母忘我》の意味は「私を忘れてはいけない」。

フィルムとデジタル

一昨日、《痩身》を見た時に、彭浩翔(パン・ホーチョン)の次回作《AV》のトライラーが流れた。イースター公開で撮ったらすぐ上映。どうやら4人の大学生が、AVを作って一旗揚げようとする話しらしい。AV版《豪情》か。男子の欲望をくすぐりそうなタイトルだし、日本のAV女優というふれこみの女優(天宮真奈美という人らしい)がご出演で、見かけは男子狙いか。こっちとしては香港男子の生態を監督がどう描くのか興味深い。もう1つのトレイラーは鄭中基(ロナルド・チェン)の《龍咁威2》。タイトルが出るだけのトレイラー(笑)。毎年夏のコメディは鄭中基ってことらしい。
本日の「2005肯定独立」(独立電影映画祭)座談会はフィルムとデジタルビデオについて。細かい技術的なことは、日本語で聞いても分からないんだから、いわんや広東語をや。ただデジタルビデオは機材が小降りで小回りが利くので、撮影者と被撮影者の距離が近く、撮影者と被撮影者がコミュニケートしやすい。金銭的なことでは、デジタルビデオはフィルムに比べると総じて少ない資金で撮れる。フィルムとデジタルはまったく別のものだから、それぞれの特性を見極めて使えばいいというような話しであった。
出席者に監督の柯星沛(オー・シンプイ)ほか。最近は独立系作品のプロデュースなどもしているらしい。今日は張同祖(チョン・トンチョー)と羅啓鋭(アレックス・ロー)が話を聞きに来ていた。