另一半(アザー・ハーフ)

《[ロ/力]一半》の監督(左)應亮(イン・リャン):監督


Tokyo Filmexで上映された作品。
法律事務所に勤める女性と彼氏の関係、法律事務所にやってくる人々の話し、テレビやラジオから流れる化学工場による汚染のニュースの3つの話しが平行して進んでゆく。舞台は四川省自貢市。


法律事務所にはいろいろな人がやってくる。会社のために接待で酒を飲んで肝臓を悪くした女性は、会社が何も保障してくれないと訴える。軍人の夫に殴られ離婚したいが、夫はメンツもあり離婚してくれない女性。離婚したが子供を取り戻したいという女性。体の弱い夫に代わり働き、夫の衣服は自分が買い与えたものなのに、夫は別の女性を作り離婚、しかし夫の衣服は燃やしてでも返したくないという女性。工場で働いていた女性が奇形児を出産、賠償してくれといってきているが、裁判で勝てるかと聞く化学工場の社長などなど。虚実入り乱れているのだろうが、どれもありそうで、密かにアイロニーが効いていて面白い。


上映後、監督と製作の彭姍のティーチ・インあり。(たぶん以下のようなことを話していた)

  • 四川の男は、いい人もいるが、そういう人は上海に行ったり香港に行ってしまう。
  • 出演者は製作の彭さんの知り合いや親戚、父母などを総動員。台詞は何回も何回も練習し、自然になるようにしたし、何テイクも撮った。出演者には自分の言葉で話してもらうようにしたため、あまり綺麗でない表現もある。
  • 主人公の女性が章子怡チャン・ツィイー)にそっくりというのは、製作の彭さんの親戚?にそっくりな子がいて、みんながそういうのを聞いて使った。
  • 四川はいま、上海などにあった化学工場が移転してきていて(東北地方にも移転している)、環境汚染は問題になっている。映画のような大事故はまだ起こっていないが、起こる可能性はある。

2007.3.24@香港国際電影節(太空館)


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