森冤(死の森)

《森冤》鄭伊健(イーキン・チェン)、舒淇スー・チー/シュウ・ケイ)、李彩華(レイン・リー)、林雪(ラム・シュ)、周俊偉(ローレンス・チョウ)、劉兆銘(ラウ・シウメン)、阮民安(トミー) 
彭發(ダニー・パン):監督


「近年森に入って自殺する人が急増している。そんな神秘的な森は日本とタイと・・・」とテレビのレポーター美樹(李彩華)が、恐怖心をあおるように話している。そんな番組は信用できないという植物学者の沈樹海(鄭伊健)は、植物には感情があり、視覚も聴覚もあり、記憶もあることを証明しようとしていた。しかしそのレポーターは樹海の彼女。いい加減な番組はやめるように諭すが彼女は聞き入れない。
刑事課の夏松梓(舒淇)は、森で起こった強姦殺人事件の容疑者・黄柏木(周俊偉)の有罪をなんとしても証明したいと考えていた。ひとり森へ出かけ証拠を探し出そうとするが、道を見失い怪しい霧が彼女に覆いかぶさってくる。気を失った彼女を助けたのは森の番小屋に住む男(劉兆銘)だった。何の証拠も探し出せなかった彼女は、沈樹海が植物に感情があるというのをテレビで見て、事件解決に協力してほしいと訪ねてきた。


森が神秘的というのは、映画ならいろいろ使い道があると思うのだが、この映画ではいまひとつ面白みや創造性に欠ける。森にはいろいろな伝説がつきものだし、鬱蒼とした森には、何か得たいの知れないものが潜んでいそうだと思うのは、ごく普通の感覚だと思う。そんな普通の感覚も満足に描けておらず、神秘の正体がよく分からない。そこもっと突っ込んで欲しいと思うところがあるのだが、あっさり流されてしまう。植物が感情や記憶を持つという着想はいいが、話しの展開に深みが足りない。映画が全然神秘的ではない。脚本のネリが明らかに足りないだろう。なお主な出演者の名前はみな木編がつく。
2007.3.22@新寶戲院


■□07年に見た映画一覧□■

香港亞洲電影投資会大奨

香港国際電影節主催、香港亞洲電影投資会(HAF)は22日に終了。合計で75万香港ドルが贈られることになった。受賞者と企画は以下のとおり。

  • HAF大奨(香港)
    • 《The Messenger》羅卓瑤(クララ・ロー):監督、Sue Maslin&方令正:監製(プロデューサー)
  • HAF大奨(香港以外)
  • Roma Film Festival Award
    • 《The Good, the Bad and the Weird》キム・ジウン:監督、チョ・チェウォン:監製
  • Technicolor Tailand Post-production Service Award
    • 《The Messenger》羅卓瑤:監督、Sue Maslin&方令正:監製
  • Technicolor Tailand Post-production Service Award
  • 香港数碼港大奨
  • 香港数碼港大奨
    • 《是日公映》彭浩翔(パン・ホーチョン):監督、彭浩翔&梁啓縁:監製
  • Sony Fellowship Award
    • 《Point of Reference》Nghim-Minh Nguyen-Vo:監督、Julien Favre:監製
  • Sony Fellowship Award
    • 《白瑪的眼涙》呉鎮宇(ン・ジャンユー):監督、劉晶:監製

各項目の賞金などは、HAF大奨が10万香港ドル、Roma Film Festival Awardは1万5000米ドル、Technicolor Tailand Post-production Service Awardは1万3000米ドルで、同社での後期製作に同意することが条件、香港数碼港大奨は10万香港ドルSony Fellowship Awardは、タイで開催されるCine Alta Workshopに参加する2人のカメラマンのエア、宿泊、参加費を提供。

英皇の今年&来年

英皇娯楽公司はさらに映画界事業を拡大、社長の楊受成(アルバート・ヨン)と中影集団、北京電視台は共同で北京中影英皇演藝経紀公司を設立、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、成龍ジャッキー・チェン)、孫紅雷(スン・ホンレイ)、容祖兒(ジョーイ・ヨン)、謝霆鋒(ニコラス・ツェ)が最初の所属タレントとなった。また1億元を投じて、趙薇をサポート、テレビドラマ《三国演義》では彼女を主演女優にする。また成龍、孫紅雷、容祖兒、謝霆鋒らと出演する映画も撮影する。記者が楊受成に確認を取ると、「そうだ。今回は中影と一緒にやる。(1億元で趙薇を作り上げるとか?)プランは細かく話し合わなければならないが、一緒にやる確率はかなり高い。趙薇だけではなく、容祖兒や他のタレントもサポートする」と話した。(略)


昨日英皇は、Filmartで来年の計画を発表した。粱洛施(イザベラ・リョン)は今年、いまのところ3本の映画をオファーされており、うち2本は現在話し合い中。よい脚本の映画を選ぶため、6、7本の映画はしかたなく断った。7桁の金額を失うことになるが、それも惜しいことではないという。4月にまず劉國昌(ローレンス・アモン)監督の《暴樂天使》を撮影する。題材はかつての《靚妹仔》のようなものになる。彼女は「もうまるまる1か月もじゃんけん(バーでするじゃんけんのようなゲーム)を習っている。さらに同僚と一緒に夜にはバーに行っている」と話した。このあと、徐克(ツイ・ハーク)の新作を撮影、その時には、日本と台湾の島や海底でロケすることになる。


蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)は現在《灌籃》の撮影中、鍾欣桐(ジリアン・チョン)は、もうすぐ劉鎮偉(ジェフ・ラウ)の新作《出水芙蓉》を撮影、劇中泳ぐ必要があり、監督にボディスーツで出演できるようにしてほしいと言っている。また水泳のコーチを探しているという。噂の彼氏・方力申(アレックス・フォン)は手伝ってくれないのかと問うと、「すばらしいコートはいっぱいいる。女性のコーチを探している。それなら気まずくないから。」と話した。これら以外に英皇では、方剛亮監督の《回家的路》と曾謹昌の《狗狗毛間道》を撮影する。by 2007.3.22「東方日報」

北京中影英皇演藝経紀公司(まんまな名だ)は大陸で自社のタレントを働かせるための会社なのだろう。そこで大陸のタレントもマネージメントするというわけだ。これで大陸のタレントが映画で使いやすく、最近は大陸で撮影するので、その方がなにかと便利ということだろう。
なんとグッドタイミング、《靚妹仔》についてはid:hkcl:20070316に。