無間道II

黄秋生(アンソニー・ウォン)、呉鎮宇(ン・ジャンユー)、曾志偉(エリック・ツァン)、陳冠希エジソン・チャン)、余文樂ショーン・ユー)、胡軍(フー・ジュン)、劉嘉玲(カリーナ・ラウ)、杜汶澤(チャプマン・トー)、廖啓智(リュウ・カイチー)、張耀揚(ロイ・チョン)、連凱(アンドリュー・レン) 劉偉強(アンドリュー・ラウ)・麥兆輝(アラン・マック):監督


一足先に先行で見ました。時代は1990年から97年までで、前傳という形。前作のように2者の対決という分かりやすい形ではなく、出演者の関係が少しばかり複雑になっている。その関係がちょっとやりすぎかなとも思う。沢山ある要素をまとめる力は十分あるが、やはり要素が多いと求心力にかけるきらいがある。この少し複雑な出演者の関係を観客に知らせることが、この映画の主題だから、詳しい内容は書かないでおく。上映時間も2時間に近かったように思う。
呉鎮宇、黄秋生、曾志偉はやっぱりうまいんだけど、最近、ちょっと全員飽きてきたな(笑)。呉鎮宇は今回の話では主役。冷静沈着、感情を表さない役というのは、かなり難しいと思うが、こう演じるだろうという想像出来る演技から越えてくれなかったのが、残念だ。何もしない(感情を無理矢理作らない)演技っていうのは難しい。これは余文樂にも言える。陳冠希は思いの外よかったのだが、余文樂はぎこちない。今回印象深いのは《福伯》で主役のオヤジ廖啓智ですね。いい味出してます。助演男優賞あげたいぐらい。こういう人が、普通の顔して、非情なことをするところに怖さが出る。呉鎮宇はまだその域までいってない、うまいんだけど、やっぱり何か表情を作ってしまいそうになる。これが呉鎮宇の限界なのかな? もう少し枯れてくれてもいいんだけどな〜。
胡軍は黄秋生の上司役だが、大陸の俳優は、たたずまいが違うので、違和感があった。声も広東語に吹き替えられているので、そのせいもあるかもしれない。これは大陸に配給するための手段なんだろう。別に胡軍でなければならない理由はない。
張耀揚は沢山写るんだけど、台詞は1言(笑)。連凱も注意してみないと判別出来なかった。やはり台詞は1言だったような。あと、強面の面々が方平、黄岳泰、張同祖ってみな作り手だったりして(笑)。しかし黄岳泰ってホント顔が恐い(笑)。
前作で、梁朝偉劉徳華が2人並んで聞く曲が、面白く登場したり、梁朝偉の子供の件、鄭秀文にあたる人物も少し登場。さらに梁朝偉と杜汶澤の関係など、前作を見ているからこそ楽しめるネタがいっぱいちりばめられている。こういうところは劉偉強はすでに「古惑仔」シリーズで慣れてる(笑)。十分面白かったが、やはりヒットした前作を越える作品を作ることは至難の技だということがよく分かる。主題歌はBeyond。


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