珈琲時光

一青窈浅野忠信萩原聖人、小林念侍、余貴美子 
侯孝賢ホウ・シャオシェン):監督


すでに日本では公開されているので、ストーリーなどは省略。何も特別な事は起こらない。いや実は主人公の陽子は台湾の彼氏との間に子供ができたりしているので、それは十分に特別なことだが、大事件だというようには描かれてない。それはそれでいいのだが、やはりもう少し何か起こって欲しいと思ってしまうし、江文也に対する陽子の思い入れなどももう少し語られてもいいような気がする。
陽子は電車に乗ってばかりいる。都電荒川線、山の手線、総武線京浜急行高崎線上信電鉄など。しかし一度も地下鉄に乗らない。彼女の住む都電荒川線鬼子母神からなら、都電で新庚申塚へ行き、都営地下鉄三田線西巣鴨から神保町へ出た方がずっと早いはずなのに、JRを使ってお茶の水から歩いているように映っている。東京に地下鉄が存在しないかのようだ。
浅野忠信は古本屋の主人で、電車の音集めが趣味。ここでも電車。侯孝賢は東京の電車に何を感じたのだろうか。
茶店エリカやいもやのある白山通り沿いよりは、靖国通りすずらん通りの方がより馴染みがあるが、長年通った神保町の風景は懐かしかった。肉じゃがが食べなくなって、つくってしまった。
2005.04.05@HKIFF


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