世界

賈樟柯ジャ・ジャンクー):監督


今回の舞台はシンセンの「世界の窓」。ミニチュアの「世界」が広がる。賈樟柯いきなりジョークでしょうか。そして「世界の窓」でダンサーとして働く小桃と同僚のダンサー、警備員の太先生と近くの建設現場で働く友人たち。彼らの間の出来事を「世界の窓」を背景に描く。途中アニメが挿入されるなど、いままでと全く異なる。音楽も印象的。カメラは余力為で、青と黒がちの画面。いままでの乾いたほこり臭い中国の内陸の風景ではなく、水も緑もあり、モノレールが走り、建設中の建物がある。田舎の小屋掛けではなく、りっぱな舞台にきらびやかな衣装の女性が登場する。背景がミニチュアであるように、そこで繰り広げられる世界もまた、世界の縮図ということか。140分という長さを感じない面白さ。
諸事情で見られなかった作品もあったが、なんとか映画祭は終了。
2005.04.06@HKIFF