今年上映された香港映画の数は

今日の「明報」に「今年上映された香港映画の数は歴代最も少なくなるだろう」という記事が出ている。

今年上映された映画は、予想では45本で、昨年の63本をさらに下回る。また今年上映された大作映画のほとんどが、昨年製作されたもので、特に大作アクション映画(《頭文字D》《七剣》《神話》など)は今年の後半になって上映されており、撮影から上映まで、ほぼ1年近い時間がかかっている。
こういう状況を見ると、来年の前半には大作が少なく、すでに撮影が開始されている作品やこれから作られる作品を見ても数本しかない。その他は中型もしくは小型の作品になる。
来年の大作と目されるのは馮小剛(フォン・シャオガン)《喜宴》、成龍ジャッキー・チェン)《BB計画》、張之亮(ジェイコブ・チャン)《墨攻》、葉偉信(ウイルソン・イップ)《龍虎門》で、ポストプロダクションの時間を考えると、これらは夏休みか来年後半に上映になるだろう。
しかし筆者は、香港映画の活力と香港という地域的特色の色濃い、たとえば《黒社会》のような中型・小型の作品に面白いものがあるのではと考えている。
香港映画の最も大きな問題は、本来の香港の市場を失ってしまったことだ。撮影されるものが、香港人の生活と特に関係のないものになり、共感を得るところがなくなり、自然と観客が減っているのだ。by 2005.11.25「明報」抜粋

私が今年これまでに見た香港映画は、今日見た《雀聖2》を入れて、たぶん35作品。かなりの割合を見ている(100%ではない。III級片で見ていないものもあり)が、確かに少ない。今年見た映画の一覧はココ
香港も大陸も取り込むというわけにはいかないジレンマがあるだろうなとも思う。だからもう大陸目当ては大陸目当てに、香港向けは小品でもいいから、香港人の客を呼べる映画を撮ってくれればいい。そして、実はこういう香港向け作品が往々にして外国(日本やヨーロッパ)で、評価されるんだから。そのあたりを見通せる映画人はいないのかとつくづく思う。これから期待できる「好香港な(とっても香港的な)」監督は、杜[王其]峰(ジョニー・トー)、爾冬陞(イー・トンシン)、葉偉信(ウイルソン・イップ)とあとは、陳木勝(ベニー・チャン)ぐらいか。
去年も、「中型・小型にいい作品が・・・」と、同じような事を言っていたような気がするが。