私的2005年香港映画ベスト5

個人的に昨年の香港映画ベスト5を出しておこうと思う(順不同)。

  • 早熟》房祖名(ジェシー・チェン)は成龍ジャッキー・チェン)の息子というネームバリューはあるものの、まったく傾向の違う息子は新人であることには変わり無い。薜凱[王其](フィオナ・シッ)も映画初出演と共に集客力は期待できなかったが、新人起用でもしっかりした脚本で、ふたたび実力を見せつけた爾冬陞(イー・トンシン)。
  • 頭文字D》日本の漫画の香港での浸透度。オール日本ロケと若手オールスターキャストで、香港人が見たい映画を確実に作った。
  • 童夢奇縁》いままで見た事のない劉徳華アンディ・ラウ)。家族の見直し、時間の大切さ、というテーマ。こういう映画がヒットすることは以前では考えられなかったのではないか、香港人の嗜好の変化。
  • 黒社会》つねに香港的なものを追求する杜[王其]峰(ジョニー・トー)のひとつの集大成。中国、韓国、日本を巻き込み、世界を相手にしようとしているアジア的な映画とは対極にある。アジア的映画は、けっしてアジアの映画ではなく、アジア的無国籍な映画でしかないと気付かせてくれた。
  • 殺破狼》葉偉信(ウイルソン・イップ)はお好みなので(笑)。葉偉信の映画にはつねに父親の喪失感がつきまとう。今回は裏返しで、父親たちが父の日に集まっていることで、彼等の子供は父の不在を味わっているというひねった設定。アクション映画の新しい形。
  • 次点は小品《神経侠侶》とおおバカ大作《情癲大聖》。