犀照

《犀照》馮徳倫スティーヴン・フォン)、鍾欣桐(ジリアン・チョン)、黄浩然(レイモンド・ウォン)、張茜(ジェス・チャン)、呉天瑜、張致恒(スティーヴン・チョン)、羅莽、黄一飛 
林健龍:監督


薬を商っている劉誠(馮徳倫)は、家業を大きくしようと、家族を故郷に残して出かけて行った。4年たって商売が安定し、そろそろ故郷へ妻子を訪ねようという矢先、店が火事になり、雇い人も薬も失う。劉誠は、彼が最も信頼し、火事でひとり残った阿四(黄浩然)に、火付けの犯人と言われ投獄されてしまう。
彼の無実を証明してくれるという弁護士(鍾欣桐)が現われ、死刑の際になんとか逃げおおせた。故郷へ帰ってみると、家は荒れ放題、妻は口も聞けず、意識もはっきりしない状態だった。劉誠が家の中で見付けたものは、阿四が自分に成りすまし妻に書き綴った金の無心と心変わりの手紙の束だった・・・。


見て行くと、「あ、あそうなのか」と思う場面があり、ネタバレになってしまうので、あまり詳しくストーリーが書けない。
有線電視の徐小明が映画製作会社を起こし、作った第一作目。ホラー売りだが、一部それらしいところはあるが、それほど恐くはなく、ホラーとは言えない感じ。普通にドラマだし、香港映画らしく笑いも入れて、しんみりもさせる。丁寧には作っていると思うし、出来が悪いということはないが、新しさは感じない。
黄浩然、たまにはマトモな役かと思うと、またも非情なとんでもないヤツ。初めのころの爽やか二枚目はホントにどこへやら。最近じゃ出てきただけで、悪役決定だもの。こんなのがすっかり定着しちゃってる彼の今後ってどうなるのかしらんと、とっても心配。馮徳倫は台詞が全部吹き替えなのだが、何故? 羅莽は久しぶり。張茜は張衛健(ディッキー・チョン)の彼女。張致恒は元Boyz。


ひとつ書き忘れていたが、この映画は俗に言う「民初片」。つまり時代設定は1900年代前半。またタイトルの「犀照」の「犀」は、「犀の角」の意味。「犀の角」は古くから薬として重用され、解毒、解熱などの効果があるほか、犀の角に火をともして(「犀照」)見ると、幽が見えるという故事(「晉書」掲載)がある。
木曜日夜はいっぱいでチケットが買えず、金曜日に見たのだが、思った以上に人が入っていてちょっとびっくり。みなホラーが見たいのだろうか? 
2006.2.17@旺角百老匯


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