《英雄本色》リメイクの難しさ

馮徳倫スティーヴン・フォン)に続いて、今度は美亞電影公司が韓国と合作し、《英雄本色(男たちの挽歌)》をリメイクすると伝えられた。
《英雄本色》には2つの版がある。1つは粤語片(広東語映画)時代の龍剛(ロン・ゴン)のもの、もう1つが80年代の呉宇森ジョン・ウー)のもの。現在多くの人が知っているのは、呉宇森版の方だ。
馮徳倫は、本来、呉宇森版のリメイクを望んでいたが、版権の問題で龍剛版を撮ることにした。報道では、美亞がリメイクするのは呉宇森版だという。
2つの版の大きな違いは、龍剛版にはMark哥にあたる役が登場しないことだ。主な話はふたりの兄弟の情について。謝賢(パトリック・ツェ)が主演で、一度ヤクザ渡世に足を踏み入れたチンピラは昔に戻ることは難しいという話しだ。
呉宇森版は、男同士の「義」を描き、これは呉宇森と徐克(ツイ・ハーク)の友情を投影し、張徹(チャン・ツェー)映画の義侠の精神を受け継いだものだと言われている。
呉宇森版をリメイクするには、いくつもの難題がある。まず、現在ハリウッドいる呉宇森監督がうんと言わなければならない。彼がOKすれば、すべては上手く行く。
しかし、本当の版権は呉宇森の元には無い可能性がある。筆者が業界人に聞いてみたところ、当事、監督や脚本家は、映画に関するすべての版権を映画会社に渡してしまうのが、一般的だったという。
《英雄本色》の製作会社は徐克の電影工作室、出品(配給)は新藝城、出資者は金公主。
金公主は現在はもう映画に投資していない。フィルムはすでに売ってしまっており、たぶんそれにはリメイクを含むすべての版権が含まれていると思われる。現在、この映画の版権を所有しているのは、たぶん衛視集団(STAR TV)だろう。
たとえ版権問題がクリアになったとしても、珠玉の名作がここにすでにある。人々の心には周潤發(チョウ・ユンファ)のMark哥がいて、狄龍(ティ・ロン)、張國榮レスリー・チャン)の組み合わせは再びつくりだすことは出来ない。観客の心の中には美しい記憶が残っているのだ。リメイクということでいえば、プレッシャーはとてつもなく大きいと言える。by 2006.3.2「明報」郭[糸遣]澂 記

一昨日の報道(id:hkcl:20060228#p1)を受けての文章。なんかこのところ「英雄本色Blog」と化している(汗)が、この件は引き続き追っかけて行きたい。ウチにある鉅星のDVDには「STAR TV」が版権を持っていると書かれている。ついでながら、現在《英雄本色》のソフト(DVD)は鉅星のはもちろんのこと、後に出たフォーチュンスターのものも品切れ状態。