差人大佬搏命仔

《差人大[イ老]搏命仔》劉永、李修賢、周麗娟、谷峰 
華山:監督 1979年 邵氏 DVD


ある漁村、苦労して船着き場を作り、細々と漁をして村びとは暮らしていた。そこへドイツ人がやってきて、船着き場を売ってくれという。激しく抵抗する漁民。しかしドイツ人側は、村人の信頼を集めている男の妻と子供を人質にして、引き渡し書にサインをせまった。男は致し方なく、サインに応じた。村びとは、男が村びとを裏切ったと思い、叩きのめし、家族は陰口をたたかれた。男は叩きのめされた傷が元で、亡くなり、母と2人の子供は村を離れた。
母は苦労し、長男(劉永)は靴磨きからはじめて、いまは港で荷下ろしの仕事をし、弟を学校に行かせていた。弟(李修賢)は、警官(字幕では軍人となっているようだ)になるべく家を離れた。兄は、荷下ろしの上前をはねているヤクザに楯を付いたことで、逆にヤクザに見込まれどんどん頭角を表し、金を稼ぐようになっていた。貧しい家から豪華な家に移り住み、母にすこしでも楽をさせようと考えていた。
そんなある日、弟が警官になって戻ってきた。豪華な家を見て、兄には才覚があると思っていたが、上司から銃密売組織の書類を見せられ、がく然とする。そこには兄の写真があったのだ・・・。


ヤクザな兄と警官の弟、あれ《英雄本色(男たちの挽歌)》と同じ設定。でも大きく違うのは、《英雄本色》が始まりから兄弟の確執を描いていくのに、「THE BROTERS」という英語題を持ったこの映画は、兄がチンピラと渡り合って、黒社会に入っていくのに重点が置かれている。兄弟の確執が最後には重要になるが、途中は、弟のことをすっかり忘れてる(笑)。
兄はあくまで母のために、貧しい生活から這い上がる手段として、金を稼ぐ(黒い仕事をする)という設定で、最後には母の為に改心しようとして、ちょっと説教くさかった。
劉永はなかなかかっこいい。この顔ならいまでも通用しそうな感じ。


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