事実は??

金曜日未明、尖沙咀で3人が銃で撃たれる事件があった。撃たれた3人は、警官2人と身元不明の男が1人で、警官1人と身元不明の男が死亡、残りの警官1人が重体だった。この身元不明男が持っていたと思われる銃は、2001年、[艸/全]湾で警官が殺害され、この警官から奪われた銃と同一のものと思われた。またこの銃は、紛失後、銀行強盗にも使用されたと思われており、一時警察はヤクザ組織との関わりを疑った。しかし、この身元不明の男が、実は警察官だったことで話は思わぬ方向へ。
この身元不明の男は、現役警官でディズニーランド勤務。この日は非番だったという。つねに昇進したいと思っていたようで、各種車の免許を取得したり、鉄人なみに身体を鍛えていたという話もあるという。また銃の腕はたしかで、左右どちらでも撃てたともいう。しかし昇進試験の筆記の成績はよかったものの、面接では部下を把握する能力に欠けると判断されたようで、昇進できずにいたらしい。
当初は唯一の目撃者と思われる重体の警察官からの聴き取りができないため、真相ははきりとは分からなかったのだが、この日から、香港の新聞は非番のこの警官が今回の殺人犯であり、2001年の警官殺害、銃盗難、さらには後の銀行強盗も、この男の犯行とかき立てている。連日、男の素性(実名は公表はもちろんのこと顔写真も)、住まい、行動、経済状態などあらゆることを探り出している。また、第4者の存在があるのではとか、発射された銃弾の数を数えてみたり、男を殺したのは誰の銃弾か、といった推理小説も顔負けの読み物も新聞に満載。男の筆跡鑑定までする新聞もあった。まるで新聞が週刊誌状態だ。
今日の「東方日報」は「無間道があった」なんていうような1面の見出し。「明報」の夕刻の速報では、第4の銃の存在はないとし、やはりこの男が警官の銃を奪う目的で、計画的に犯行に及んだのではないかと警察はいっていると書かれている。
ん〜、これが真相だとしたら、やはり事実は小説より奇なり、いや〜映画より奇なりというべきか・・・。
それにしても香港の新聞は、人権なんてまったく考えて無くて恐ろしいこと極まりない。