杜琪峰のお怒り

監督・杜琪峰(ジョニー・トー)は、一昨日香港影視娯楽博覧の開幕式後、開幕式は映画産業をサポートするという意味のまったく感じられないものだったと話し、貿易発展局は、古天樂(ルイス・クー)、楊千嬅(ミリアム・ヨン)、呉彦祖ダニエル・ウー)ら新人たちをまるで背景のように扱い、すでに国際的に名を知られている、梁朝偉トニー・レオン)、張曼玉マギー・チャン)、徐克(ツイ・ハーク)や自分などを表賞しても意味はないと批判した。(略)
「政府は大金をかけショウをおこなった。ここには世界の映画買い付け業者が参加していた。こんないい機会なのに、どうして新人監督や俳優たちを外国の買い付け業者やマスコミに紹介しないのか。僕や徐克、梁朝偉張曼玉は、外国の人はすでに知っている。僕らを表賞したって、いままでの業績の上に花を添えるだけだ。政府がもし本当に映画産業をサポートしようというなら、新人の古天樂、楊千嬅、呉彦祖らを紹介するのが正しいんじゃないか」
「僕らは若くない。将来も香港映画界が輝き続けるには、若い人たちをサポートしていかなければならない。しかし主催者は、彼ら新人たちをまるで背景のようにあつかって、僕は舞台の上から彼らを見て耐えられなかった。今晩は映画産業の推進より、ショウの方に重きがおかれていたようだ。来年は意義のあるものを考えてくれるように願っている。政府は映画界をサポートしてくれると信じているけど、明らかに間違った方法を用いてしまったようだ」
「僕はどうして香港に留まって撮り続けているかというと、それは僕はこの街をこよなく愛しているからだし、香港映画界に思い入れがあるからだ。香港映画界は代々賑わっていなければならない。それには、みんなで新しい世代をサポートしていけば、この先にも希望がある。近年、僕はすでに新しい監督たちを一生懸命サポートしてきた。同じように俳優も起用してきた。これが新しい世代を育てる最もよい方法だからだ」by 2006.3.22「蘋果日報」(抜粋)

こんなに熱く香港について、香港映画界について語る人でも、ハリウッドで撮りたいのかと、問いつめたい気分でいっぱい。